文献情報
文献番号
200401286A
報告書区分
総括
研究課題名
温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育に関する実証的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
上岡 洋晴(東京農業大学 地域環境科学部(教育分野))
研究分担者(所属機関)
- 上馬場 和夫(富山県国際伝統医学センター)
- 矢崎 俊樹((財)日本健康開発財団)
- 黒柳 律雄(東京厚生年金病院リハビリテーションセンター)
- 佐藤 陽治(学習院大学スポーツ・健康科学センター)
- 江夏 亜希子(汐留第二セントラルクリニック)
- 中村 好一(自治医科大学公衆衛生学教室)
- 岡田 真平(身体教育医学研究所)
- 高橋 亮輔(身体教育医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究事業は、温泉利用と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育が、中高者及び若年者の血液性状や体力、ADL、精神心理面等にどのような影響を及ぼすかを明らかにするとともに、温泉を活用した研究の詳細なレビューを行うことを目的とした。
研究方法
本研究事業は、次の6つで構成した。分担研究1:中高年女性を対象とした温泉入浴と生活・運動指導による総合的健康教育:3ヶ月間と6ヶ月間介入の無作為化比較試験の1年後追跡、分担研究2:中高年女性を対象とした温泉利用と生活・運動指導に関する無作為化比較試験(介入終了後のフォローアップ期間)、分担研究3:安全で有効性の高い温泉療法と生活・運動指導プログラムの開発-温熱負荷による免疫能・抗酸化能の変化と生理機能、分担研究4:免疫機能及び血液性状に与える短期集中型の総合的健康教育の介入効果についての研究、分担研究5:各種疾病に対する温泉療法の効果に関する文献調査-海外のランダム化比較試験研究を用いて、分担研究6:在宅高齢者に対する長期間の温泉入浴と生活・運動指導による効果、であった。
結果と考察
結果の概要を以下に示す。1)温泉利用と生活・運動指導を併用する総合的健康教育は、比較的健康な中高年者の健康増進効果を高める可能性があること、2)健常な成人に対する合宿形式の短期間集中的な温泉を利用した総合的健康教育でも、精神心理面の改善とNK細胞の活性が高まる可能性があること、3)期限付きの介入の場合には、得られた効果やその他の変化について、フォローアップして確かめる必要があること、4)温泉医学に関する無作為化比較試験のレビューにおいて、介入群では対照群と比較して良好な効果があり、それが長期間維持される傾向にあること、が明らかになった。
結論
温泉と生活・運動指導を組み合わせた総合的健康教育は、介入方法によって程度の差はあるものの、健康増進効果をもたらす可能性が高いことが見えてきた。しかし、まだ実証性に乏しい点も多く、継続して研究を進めることの必要性も確かめられた。
公開日・更新日
公開日
2005-05-20
更新日
-