国民健康・栄養調査における各種指標の設定及び精度の向上に関する研究

文献情報

文献番号
200401283A
報告書区分
総括
研究課題名
国民健康・栄養調査における各種指標の設定及び精度の向上に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉池 信男(独立行政法人国立健康・栄養研究所(健康・栄養調査研究部))
研究分担者(所属機関)
  • 下光 輝一(東京医科大学衛生学(公衆衛生学))
  • 田嶼 尚子(東京慈恵医科大学(内科学))
  • 内山  真(国立精神神経センター研究所)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院(技術評価部))
  • 杤久保 修(横浜市立大学大学院医学研究科(システム情報予防医学))
  • 中村 雅一(大阪府立健康科学センター(脂質基準分析室))
  • 安井 利一(明海大学歯学部(口腔衛生学講座))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国民健康・栄養調査が、従来の“国民栄養調査”から運動、喫煙、飲酒等の生活習慣や生活習慣病に関する事項に拡充されたことから、指標としての妥当性、適切な調査手法のあり方並びに精度管理方法等を検討することを目的とする。
研究方法
米国全国健康・栄養調査等における標本抽出方法、サンプルサイズの算出方法や過剰抽出を行った際の調査データの取り扱い方に関して検討した。運動習慣や日常的な身体活動度をどのように把握し、健康日本21の評価につなげていくかをフィールドでの予備的調査を含めて検討した。飲酒・喫煙、ストレス・休養等の生活習慣、保健行動の評価方法に関して、これまで国民栄養調査で行われてきた調査データとの整合性を考慮に入れながら、より精度が高く、しかも実施可能性のある把握方法について、フィールドでの予備的調査を含めて検討した。循環器疾患基礎調査や糖尿病実態調査として行われてきた調査項目に関して、過去のデータを詳細に再解析し、健康日本21の評価項目として重要性の高い指標を抽出した。特に、今後経年的な変化をモニタリングする上で重要である血圧測定や血液検査等の精度管理等について検討した。血圧・腹囲の測定については初年度の検討から、測定者をトレーニングするための視覚的教材の必要性が示唆されたことから、その試作及び効果検証を行った。歯科保健行動、残存歯、咀嚼機能等を質問紙により評価し、その他の生活習慣因子や健康指標との関連を解析するための手法を検討した。
結果と考察
抽出確率に応じた基本的な重み付けを行う、応答バイアスを小さくするために、非回答者の特徴を明らかにして重み付け調整または補完を行う、日本人の現実の人口構成に合わせるために、Poststratificationによる調整を行うことが重要との結果を得た。血圧・腹囲測定のためのDVDを開発し、特に新たに導入された腹囲の測定部位の標準化を図るために有用であることを確認した。集団のHbA1c値が0.1%上昇すると有病率が2.5%上昇する可能性が示唆された。国民健康・栄養調査の検体受託機関においては、平成15年度のみの尿素窒素で許容限界を0.6%超えることが判明した。地域住民を対象とした調査から、自分の口腔内の状態に関して、約40%の者が理解できていないあるいは正確に回答し得ない状況であることが判明した。
結論
国民健康・栄養調査における重要な指標についての検討を進めた。これらの事項については、国のみならず、都道府県等でも活用可能な「調査マニュアル」として次年度にまとめていく予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-05-20
更新日
-