運動習慣の獲得・継続のための行動科学的手法を用いた指導教材の開発と活用に関する研究

文献情報

文献番号
200401272A
報告書区分
総括
研究課題名
運動習慣の獲得・継続のための行動科学的手法を用いた指導教材の開発と活用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
下光 輝一(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 川久保 清(共立女子大学 家政学部)
  • 内藤 義彦(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 小田切 優子(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
  • 井上 茂(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体活動推進の方法として、近年、行動科学的手法への関心が高いが、指導者が指導スキルを向上するための適切な教材やそれを学習する機会が十分に提供されているとはいえない。そこで、本研究では行動科学的手法を応用した身体活動・運動指導教材(教材)、および指導者向け講習プログラム(講習プログラム)を開発する。最終年度にあたる本年は教材・講習プログラムを完成し、その有用性を無作為化対照試験によって検討した。
研究方法
教材・講習プログラムは昨年までに作成した原案を改良して完成した。介入研究は6ヶ月間の無作為化対照試験で実施した。対象は職域、地域で生活習慣指導を行っている保健師、産業看護職、栄養士238名で、無作為に介入群117名、対照群121名に割付けた。介入群には教材配布と講習プログラムを実施し、対照群には評価のみを行なった。評価は指導者レベルで行い、指導行動のステージ、指導の自己効力、指導頻度などを質問紙で評価した。最後まで評価を行った対象は226名93%で、Intension-to-treatの原則に基づいて解析した。
結果と考察
教材は「行動変容のステージ別に行動変容技法を活用する」ことを基本的なコンセプトとした。講習プログラムは5時間で実施し、教材を活用しながら行動科学を学ぶことができることを目標にした。介入の結果、介入群では「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導のステージ」が上昇し、「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導の自己効力スコア」、「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導の実践スコア」が有意に高まっていた。また、改善は介入群において有意に大きかった(各p<0.001)。講習会6ヵ月後に教材を「活用している」と回答した者は介入群の76%を占めた。以上より、介入により行動科学を身体活動・運動指導の中に応用する自己効力が高まり、積極的に応用するようになっていたことが示された。この効果は身体活動・運動以外の生活習慣指導でも認められ、一般的な保健指導の中に行動科学を応用する自己効力、頻度が向上していた。
結論
本研究において開発した教材、講習プログラムは効果的に指導者の指導行動を変容させた。介入を受けた指導者は、身体活動・運動指導のみならず、一般的な保健指導にも行動科学を応用するようになっていた。本研究の介入プログラムは行動科学的指導方法を普及させる方法の一つとして有効であり、その展開が推奨される。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200401272B
報告書区分
総合
研究課題名
運動習慣の獲得・継続のための行動科学的手法を用いた指導教材の開発と活用に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
下光 輝一(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
研究分担者(所属機関)
  • 川久保 清(共立女子大学 家政学部)
  • 内藤 義彦(武庫川女子大学 生活環境学部)
  • 小田切 優子(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
  • 井上 茂(東京医科大学 衛生学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
身体活動推進の方法として、近年、行動科学的手法への関心が高いが、指導者が指導スキルを向上するための適切な教材やそれを学習する機会が十分に提供されているとはいえない。そこで、本研究では行動科学的手法を応用した身体活動・運動指導教材(教材)、および指導者向け講習プログラム(講習プログラム)を開発し、その有用性を無作為化対照試験によって検討することとした。
研究方法
初年度に生活習慣指導者754名を対象に行動科学を応用した生活習慣指導の実態調査を行い、これを参考に第3年度までに教材、講習プログラムを開発した。介入研究は保健師、産業看護職、栄養士238名を対象に6ヶ月間の無作為化対照試験によって行った(介入群117名、対照群121名)。介入群には教材配布と講習プログラムを実施し、対照群には評価のみを行なった。評価は指導者レベルで行い、指導行動のステージ、指導の自己効力、指導頻度などを質問紙で評価した。最後まで評価を行った対象は226名93%で、Intension-to-treatの原則に基づいて解析した。
結果と考察
教材は「行動変容のステージ別に行動変容技法を活用する」ことを基本的なコンセプトとした。講習プログラムは5時間で実施し、教材を活用しながら行動科学を学ぶことができることを目標にした。介入の結果、介入群では「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導のステージ」が上昇し、「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導の自己効力スコア」、「行動科学的手法を用いた身体活動・運動指導の実践スコア」が有意に高まっていた。また、これらの改善は介入群において有意に大きかった(各p<0.001)。講習会6ヵ月後に教材を「活用している」と回答した者は介入群の76%を占めた。以上より、介入により行動科学を身体活動・運動指導の中に応用する自己効力が高まり、積極的に応用するようになっていたことが示された。この効果は身体活動・運動以外の生活習慣指導でも認められ、一般的な保健指導の中に行動科学を応用する自己効力、頻度が向上していた。
結論
本研究において開発した教材、講習プログラムは効果的に指導者の指導行動を変容させた。介入を受けた指導者は、身体活動・運動指導のみならず、一般的な保健指導にも行動科学を応用するようになっていた。本研究の介入プログラムは行動科学的指導方法を普及させる方法の一つとして有効であり、その展開が推奨される。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-