化学物質リスク評価における定量的構造活性相関に関する研究

文献情報

文献番号
200401268A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質リスク評価における定量的構造活性相関に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
林 真(国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部)
研究分担者(所属機関)
  • 鎌田栄一(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
  • 広瀬明彦(国立医薬品食品衛生研究所総合評価研究室)
  • 青木康展(国立環境研究所化学物質環境リスク研究センター健康リスク評価研究室)
  • 広野修一(北里大学薬学部)
  • 山添 康(東北大学大学院薬学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
毒性学的性状が明らかでない化学物質について、化学物質の3次元構造及び毒性発現メカニズムの観点から毒性学的影響を高精度で予測するための方法[(Q)SAR]を研究することを目的とする。
研究方法
国際的に使用されている構造活性相関コンピュータープログラムの検証を行い問題点の洗い出しを行うと共に予測精度を上げるためのアルゴリズムの改良を行っている。また、標的分子との結合能を指標にした3D-QSARの方法開発、これらの研究を効率的に促進させるために求められるデータベースに関する研究を行い、CoMFAモデルの適用性について検討した。
結果と考察
分子量と染色体試験結果との関係において、分子量3,000以上で末端にエポキサイドを有している場合には「陽性」と判断した方が良いと考えられた。3つの(Q)SARモデルの染色体試験の精度をAMES試験モデルの結果と比較すると約半分以下の信頼性しか得られなかった。染色体試験用のモデルは開発途上であることから、開発元と綿密な連携を取りながら、より精度の向上を測る必要があると考えられた。既存点検化学物質選択(AMES試験)のためのフローチャートは、既存化学物質点検品目選定の為に使用することが出来ることが判明した。反復投与毒性試験を指標にした3次元構造活性相関モデルに関しては、ニューラルネットワークで分析することで重回帰解析より予測性の高いQSARモデルを構築することが出来た。毒性予測に関する種々のCoMFAモデルの構築に関しては、三次元定量的構造活性相関モデルを得ることができた。化学物質の代謝活性化の予測モデルに関しては、pyrene則の適用性比較からtrigger部位の奥行き等の確度を向上させる必要があるが、予測が可能なことが明らかとなった。
結論
染色体試験において、分子量3,000以上の化合物で末端にエポキサイド基を有している場合には概ね陽性と判断が出来ると推測された。既存点検化学物質選定(AMES試験)のためのフローチャートは使用できることが判明した。反復投与毒性試験を指標にした3次元構造活性相関モデルに関しては予測性の高いQSARモデルを構築することが出来た。
毒性予測に関する種々のCoMFAモデルの構築に関しては、三次元QSARモデルを得ることができた。化学物質の代謝活性化の予測モデルに関しては、pyrene則の適用性比較から予測が可能なことが明らかとなった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-22
更新日
-