化学物質リスク評価の基盤整備としてのトキシコゲノミクスに関する研究

文献情報

文献番号
200401267A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質リスク評価の基盤整備としてのトキシコゲノミクスに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
研究分担者(所属機関)
  • 江馬 眞(国立医薬品食品衛生研究所総合評価室)
  • 北嶋 聡(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部)
  • 井上 達(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
  • 漆谷 徹郎(国立医薬品食品衛生研究所・大阪支所・基盤研究第一プロジェクトチーム)
  • 山中 すみへ(東京歯科大学衛生学)
  • 北川 昌伸(東京医科歯科大学・医歯学総合研究科・包括病理学分野)
  • 矢守 隆夫(癌研究会癌化学療法センター・分子薬理部)
  • 小野 宏((財)食品薬品安全センター秦野研究所)
  • 本間 正充(国立医薬品食品衛生研究所・安全性生物試験研究センター変異遺伝部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
250,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
化学物質リスク評価の基盤整備として、網羅的な遺伝子発現変化解析法を毒性学に適用し、網羅的遺伝子発現プロファイリングを基にした化学物質トキシコゲノミクスデータベースを構築することにより、インフォマティクス技術を活用した化学物質の安全性評価の為の、より迅速、正確且つ安価な評価システムを構築する。
研究方法
データベース生成研究では、約100化学物質を選択し、3年間の研究期間に於いて小型実験動物(マウスを主体とする)を用いた暴露実験を行い、肝を主標的として発現プロファイルを可能な限り多数の遺伝子について採取する。これらのデータを逐次、電子ファイリングし、遺伝子プロファイルデータベースを構築する。基盤研究では、標的臓器別解析、個体差、種差に関わる解析、遺伝毒性メカニズム解析の4課題について研究を行う。これら基盤研究により得られる知識を既存知識と合わせ、インフォマティクス強化を行う。殊にインフォマティクス情報の中から未知機能クラスターを抽出し、その機能を検討しリレーショナルデータベースに還元する事で、インフォマティクスの精度を継続的に向上させて行く。
結果と考察
データベース生成研究では、マウスによるトキシコゲノミクス実験システム整備を完成させ、遺伝子発現プロファイル生成システムとして、独自の絶対標準化システム(Percellome method)を完成させた。本年度は、核内受容体作用物質、カフェイン等の食品由来物質など合計30種類の化学物質のデータを得た。評価システムの構築として、自動教師無しクラスタリングシステムの開発に成功した。基盤研究では、発生毒性のためのマウス胚を対象にした微量サンプルによるマイクロアレイ解析の技術基盤整備に成功するなど、予測システム構築に向けた種々の研究成果を得た。
結論
1)データベース生成研究では、安定したデータの採取が可能な暴露システム及び遺伝子発現プロファイル生成システム、データ評価システムの基盤構築に成功し、質の高いデータベース構築とデータの蓄積を開始した。
2)基盤研究では、各課題固有の実験から発現プロファイルを取得し、具体的な解析を開始した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-