ワクチンの安全性向上のための品質確保の方策に関する研究

文献情報

文献番号
200401386A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチンの安全性向上のための品質確保の方策に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
財団法人 予防接種リサーチセンター(財団法人 予防接種リサーチセンター)
研究分担者(所属機関)
  • 竹中 浩治(財団法人 予防接種リサーチセンター)
  • 倉田 毅(国立感染症研究所)
  • 神谷 齊(国立病院機構三重病院)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所)
  • 松本 慶蔵(医療法人伴帥会愛野記念病院)
  • 平山 宗宏(日本子ども家庭総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
30,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
基礎医学、臨床医学、疫学、ワクチン学に関わる専門家とワクチンメーカー、予防接種を担当する地域の臨床医等のネットワークを構築し、より安全性と有効性の高いワクチンの開発・改良とその品質を確保することを目的とした。
研究方法
全国的に研究者、臨床医の協力を求め、臨床的、疫学的な情報の収集と分析を行った。各分担研究者が研究協力者と共にワクチンの安全性と有効性向上のための改良・開発研究及び情報の分析方法や地域におけるワクチン接種のあり方等について検討、研究総会において討議してワクチンの安全性や実施方法等につき要望事項を取りまとめた。
結果と考察
分子疫学的研究の手法と結果は、わが国において流行する麻疹、風疹、ムンプス等のウイルスを収集して検査し、ワクチンの効果に影響を与える変異が起これば製造株を変更するなどの対応を可能にした。小動物を用いたワクチンの局所反応原性の検討方法は、ワクチンの安全性評価に利用された。経鼻用インフルエンザ不活化ワクチンの開発は、安全性の高いアジュバントの発見により前進することができた。
 臨床医学的研究では、水痘ワクチンの有効性と安全性の調査から定期接種採用の要望が出され、インフルエンザワクチンは小児への接種量と有効性について検討を要する結果であった。インフルエンザ菌髄膜炎の疫学調査からは同ワクチンの早期採用が要望された。また、痙攣性疾患児や重症心身障害児等に安全に必要なワクチン接種を行うための接種基準が提示された。ワクチンの安全性を論じる基盤として、副反応に紛らわしい急性神経系疾患の発生頻度の現状調査が開始され、またワクチン接種率を能率よく算出するための調査方法を開発中である。疫学的調査からは麻疹と風疹の混合ワクチンの実用化に際して二回接種の必要性が示された。院内感染の防止のために医療関係者へのワクチン接種の必要性も示された。
 高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種率の向上が認められたが、発病予防効果の点では更なる検討が望まれた。また肺炎球菌ワクチンの併用も高齢者施設等での実行が求められた。
結論
 ワクチンの有効性と安全性を確保するための情報の収集と発信のためのネットワーク研究が可能になり、ワクチンの改良、開発研究と接種率の向上のための基礎資料の収集と分析が行われた。

公開日・更新日

公開日
2005-06-22
更新日
-