麻薬植物の不法栽培地域での代替え薬用植物の導入研究

文献情報

文献番号
200401220A
報告書区分
総括
研究課題名
麻薬植物の不法栽培地域での代替え薬用植物の導入研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐竹 元吉(お茶の水女子大学生活環境研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 関田 節子(徳島文理大学香川薬学部天然物化学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ミャンマー連邦山間地域の麻薬植物のケシ栽培を中止するために、少数民族は重要な営農者の一環として、森林の焼き畑放置地域の有効利用と人の定着化に目的である。また、野生薬用植物の資源保護やミャンマー連邦での薬用植物の栽培を振興し、健康増進に役たつ知識の普及、国内外での薬用植物の利用の拡大などの行うことを目的とする。さらに、ミャンマーは資源に恵まれた環境の中にいるにも関らず、薬用植物の解明が遅れているため、有用植物の資源調査を行い、新たな代替え植物の発見も一つの目的とする。
研究方法
(1)ケシ不法栽培地に適する経済作物や薬用植物の種苗を供給し、栽培技術を指導する。
(2)付加価値の高い薬用資源植物の地域調査
(3)ミャンマーの薬用植物誌を作成し、薬用植物の知識の普及を貢献する。
(4)有用薬用植物の活性成分を解明し、広範囲に利用できるよう研究を行う。
結果と考察
(1) 導入した植物は栽培適地植物が多く、寒地に適する植物(オウレン、モッコウ、ダイオウ、ニンジン等)も順調であった。お茶の水ミャンマーフォーラムを開催、本研究の進行状況を報告した。
(2) 薬用植物の研究:薬用人参やベニバナなど多くの薬用植物の栽培を開始した。果樹類の栽培技術が定着し、増殖が開始された。
(3) 野生薬用植物の分布調査に多数の薬用植物を採集し、成分の検討を行った。
(4) ミャンマー山間地域のケシ不法栽培地に薬用植物の種苗を供給した。
(5) ミャンマーの生活環境調査報告
 ①タナカ ②生活飲用水 ③食用トウガラシ ④野生コンニャク
(6) 分担研究報告:成分研究としては分担研究者関田が行った。
 Cordia fragrantissimaから成分を分離し、同属植物から得られているcordiachrome C,B及びAと同定した。
結論
ミャンマー政府及び森林局長の協力により多くの研究成果が得られた。最も大きな成果は政府からの活動許可書が得られ、これに基づいて、現地での活動が円滑になった。
現地活動では栽培可能な薬用植物が決まり、導入した果樹類も成育が良い、剪定技術及び栽培方法の指導を行った。薬用植物を中心に村おこしが興りつつある。その他、野生植物の地域調査では、重楼、黄精、ミャンマー人参など日本や中国の重要な薬用植物の調査ができた。
本研究はミャンマー連邦での薬用植物の栽培を振興し、健康増進に役たつ知識の普及、国内外での薬用植物の利用の拡大などを行う計画である。この分野で国際的な研究を推進していくことは、わが国のみならず国際的な貢献に繋がるものである。

公開日・更新日

公開日
2010-05-25
更新日
-

研究報告書(紙媒体)