医薬品の最新の品質管理システムのあり方・手法に関する研究

文献情報

文献番号
200401215A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の最新の品質管理システムのあり方・手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品の品質の確保は、省令GMP基準への適合が義務とされ、品質を確保するために必要な基本要件が示されている。しかし、その内容は包括的な事項にとどまり、具体的な要求事項や品質システムの運用の仔細が定まっていない。このため、医薬品開発、製造、流通、行政規制等を取り巻く技術や状況に相応した品質システムのあり方・手法をまとめ、14年度より、3年計画でグローバルに通用する指針として提供することを目的とした。又、GMPの要求事項に加えられた変更管理の基本的な考え方を再確認する。
研究方法
昨年度作成した医薬品GMPガイダンス案、技術移転ガイドライン案、試験室管理ガイドライン案をインターネットで公表し、研究班として、パブリック・コメントを求める。パブリック・コメントを考慮し、また16年12月に発行されたGMP省令との整合性を確認しつつガイドラインを完成させる。
結果と考察
14年度の品質システムについての検討、及び法制体系と製造実務の両面からGMPについての考察に基づき、15年度には医薬品GMPガイダンス案を作成した。案に対し寄せられた意見を考慮し、国際的に調和のとれた「医薬品製剤GMPガイドライン」を作成した。製造販売承認制度下において重要性が増大する技術移転について適切な指針を示すことにより、GMP省令の補完をめざした。新規医薬品及び既存製品の高品質で安定した製造に必要な技術移転について、ガイドラインとして示した。GMPに係わる試験検査業務全般を俯瞰して、適切な業務運営のあり方、業務管理のあり方の検討をもとに、一般的な管理要件や、規格外れ値・再試験等の取扱い方、市販後安定性の担保のあり方、試験法の検証・規格のあり方などに関して、具体性をもった試験検査室管理ガイドラインを作成した。又、GMPの要求事項に加えられた変更管理の基本要件について考察した。 作成したガイドラインは我が国はじめての包括的GMPガイドラインとして国内においてはGMPの徹底に貢献するとともに、国際的には医薬品品質保証の調和のベースとなることが期待される。
結論
医薬品製剤GMPガイドラインおよびそれを補完する技術移転、試験検査室管理のガイドラインに示された基本的な考えかた、標準的な手法により、我が国に流通する医薬品に、より高度な品質保証が達成される。

公開日・更新日

公開日
2007-04-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200401215B
報告書区分
総合
研究課題名
医薬品の最新の品質管理システムのあり方・手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
檜山 行雄(国立医薬品食品衛生研究所 薬品部)
研究分担者(所属機関)
  • 武田 豊彦(石川島プラントエンジニアリング)
  • 木嶋 敬二(日本医薬品添加剤協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品開発、製造、流通、行政規制等を取り巻く技術や状況に相応した品質システムのあり方・手法をまとめ、指針として提供することを目的とした。医薬品添加剤の品質確保のため、天然素材を原料に持つものはGMP管理に加えて、出発原料の品質までさかのぼった品質確保の方法を研究する。医薬品製剤工場を、「薬局等構造設備規則」に円滑、効率的に適合するための具体的な指針を作成することを目的とした。
研究方法
品質システムについての検討、海外行政・企業からの聞き取り調査、及び法制体系と製造実務の両面からの考察に基づき、ガイドライン案を作成した。パブリックコメントを実施し、新GMP省令との整合をとり、医薬品製剤GMPなどのガイドラインを作成した。医薬品添加剤では、原材料由来の品質問題、BSE、GMO、アレルゲン等の問題を把握するためにアンケート調査および聞き取りによる詳細調査を実施した。医薬品製剤工場ハード指針は「原薬GMPガイドライン」より製剤にも共通する部分を抽出し作成を進めた。
結果と考察
医薬品製剤GMPガイドラインは品質及び製剤特性の要件に適合することを保証する重要な指針となる。製造販売承認制度下で重要性が増す技術移転における情報とその伝達ルートに対しての推奨事項をまとめた技術移転ガイドライン、並びに試験検査室管理ガイドラインは医薬品製剤GMPガイドラインを補完する。添加剤メーカーではBSE、GMO、アレルゲンについては証明書で対応、異物対策では、品質規格の運用、工程内ろ過・篩過などによる除去、品質変動については、原料の特定化などで対応している。加工度の低い天然物に近い製品の品質確保には産地の選定、特定、優良ロットの確保、トレーサビリティーの確保が重要である。原料調査票は標準化により原料データの共有化が可能であり、品質確保と品質向上に起用できる。「汚染防止対策」、「適格性評価」と、医薬品工場の構造設備に共通する「空調システム」、「製造用水システム」、「その他ユーティリティ」、「電気設備」、「計装・制御」について取り上げ、医薬品製剤工場ハード指針を作成した。
結論
医薬品製剤GMPガイドラインおよびそれを補完する技術移転、試験検査室管理のガイドラインに示された基本的な考えかた、標準的な手法、医薬品添加剤の原材料の品質確保、および、製剤工場のハード指針により、我が国に流通する医薬品に、より高度な品質保証が達成されるものと考える。

公開日・更新日

公開日
2005-06-28
更新日
-