医療用医薬品の添付文書等による情報提供のあり方及びその補完的役割を担うITによる情報提供に関する研究

文献情報

文献番号
200401210A
報告書区分
総括
研究課題名
医療用医薬品の添付文書等による情報提供のあり方及びその補完的役割を担うITによる情報提供に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
谷川原 祐介(慶應義塾大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 上田慶二(東京都多摩老人医療センター)
  • 奥村勝彦(神戸大学 医学部)
  • 伊藤澄信(順天堂大学 医学部)
  • 網岡克雄(金城学院大学)
  • 折井孝男(NTT東日本関東病院)
  • 井関 健(北海道大学 薬学部)
  • 白神 誠(日本大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,930,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療用医薬品の添付文書に収載される情報をより分かりやすく且つ使いやすいように統合・再構築する方策として、申請者は、最重要事項のみを記載した「ハイライト情報」とITを活用した「階層化添付文書情報」を、添付文書の補完的役割を果たす情報媒体として提案した。今年度は、社会インフラとして実用化に向けた研究を実施した。
研究方法
①ハイライト情報と添付文書とを挿入した新方式・製品情報概要(総合版)を試作し、医師・薬剤師からの意見を収集した。併せて、ハイライト情報作成指針を作成した。
②医師、病院薬剤師、開局薬剤師、教育関係者を対象に、階層化添付文書情報の有用性について意見を収集した。
③医療現場におけるIT導入のメリット、現在のIT機器利用の実態、さらには実用化に向けて解決すべき課題について調査した。
④医薬品情報の企業間格差・製品間格差について現状を調査した。
⑤ITによる階層化添付文書情報の実用化に向けての技術的課題を洗い出した。
結果と考察
医師・薬剤師から意見収集した結果、ハイライト情報は必須であり、新方式・製品情報概要(総合版)は有用であると高く評価された。医療現場・教育現場のいずれにおいてもITによる階層化添付文書情報は非常に有用であり、ITを活用した情報提供を受け入れる素地は十分に整っていることが判明した。
ITによる情報提供に関して、情報の収集管理と発信・メンテナンス体制、情報の適切性の管理体制、著作権問題など、今後実現に向けて解決すべき課題を整理した。技術的課題は克服可能であり、制度的課題は今後ガイドライン等の整備により解決できると考えられた。企業からの情報提供の実態については、先発品と後発品の差に加えて、後発品同士でも企業間で情報量のバラツキが大きかった。
結論
添付文書をを補完するITによる「階層化添付文書情報」並びに「ハイライト情報」は、医療現場での評価が高く技術的にも実用化可能と結論づけられた。ITによる階層化添付文書情報提供の実現により、日本全体での医薬品情報の地域格差や職種間格差をなくし、一定水準の質を保つことが可能となる。それにより、医療現場で個々の医薬品の特性や使用上の注意等の正確な理解が促進され、適正使用が図られることにより、国民の医療と健康福祉に対して大きな利益が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-08-26
更新日
-

文献情報

文献番号
200401210B
報告書区分
総合
研究課題名
医療用医薬品の添付文書等による情報提供のあり方及びその補完的役割を担うITによる情報提供に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
谷川原 祐介(慶應義塾大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
  • 上田慶二(東京都多摩老人医療センター)
  • 奥村勝彦(神戸大学 医学部)
  • 伊藤澄信(順天堂大学 医学部)
  • 網岡克雄(金城学院大学)
  • 折井孝男(NTT東日本関東病院)
  • 井関 健(北海道大学 薬学部)
  • 白神 誠(日本大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療用医薬品の添付文書に収載される情報をより分かりやすく且つ使いやすいように統合・再構築する方策として、申請者は、最重要事項のみを記載した「ハイライト情報」とITを活用した「階層化添付文書情報(e添付文書)」を、添付文書の補完的役割を果たす情報媒体として提案した。階層化を基本コンセプトとする新たな医薬品情報提供の取り組みに対して医療関係者、製薬企業団体等から意見を収集すると共に、日本の社会インフラとして実用化に向けた研究を実施した。
研究方法
①医師、病院薬剤師、開局薬剤師、教育関係者を対象に、ITによる階層化添付文書情報の有用性について意見を収集した。さらに、製薬企業間でも相互評価を行った。
②医療現場におけるITによる情報提供導入のメリット、現在のIT機器利用の実態、さらには実用化に向けて解決すべき課題について調査した。
③ハイライト情報と添付文書とを挿入した新方式・製品情報概要(総合版)を試作し、医師・薬剤師からの意見を収集した。併せて、ハイライト情報作成指針を作成した。
④医薬品情報の企業間格差・製品間格差について現状を調査した。
⑤ITによる階層化添付文書情報の社会インフラとしての実用化に向けて技術的課題を洗い出した。
結果と考察
1)医師・薬剤師の意見ではハイライト情報は必須であり、新方式・製品情報概要(総合版)は有用であると高く評価された。
2)医療現場において階層化添付文書情報は非常に有用であり、ITを活用した情報提供を受け入れる素地は十分に整っていることが判明した。
3)ITによる情報提供に関して、技術的課題は克服可能であり、制度的課題は今後ガイドライン等の整備により解決できると考えられた。
4)企業からの情報提供の実態については、先発品と後発品の差に加えて、後発品同士でも企業間で情報量のバラツキが大きかった。
5)ITによる階層化添付文書情報並びにハイライト情報について具体的作成指針を作成した。
結論
添付文書を補完するITによる「階層化添付文書情報」並びに「ハイライト情報」は、医療現場での評価が高く、技術的にも実用化可能と結論づけられた。ITによる階層化添付文書情報提供の実現により、日本全体での医薬品情報の地域格差や職種間格差をなくし、一定水準の質を保つことが可能となる。それにより、医療現場で個々の医薬品の特性や使用上の注意等の正確な理解が促進され、医薬品適正使用が図られることにより、国民の医療と健康福祉に対して大きな利益が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-08-26
更新日
-