医薬品等の市販後における有効性、安全性の評価方法に関する研究

文献情報

文献番号
200401207A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品等の市販後における有効性、安全性の評価方法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹内 正弘(北里大学 薬学部 臨床統計部門)
研究分担者(所属機関)
  • 矢後 和夫(北里大学・北里大学病院 薬剤部)
  • 吉野 信次(国立国際医療センター 薬剤部)
  • 森下 秀樹(国立循環器病センター 薬剤部)
  • 青木 誠(国立病院機構東京医療センター 診療部)
  • 水口 和生(徳島大学・徳島大学病院 薬剤部)
  • 森口 博基(徳島大学・徳島大学病院 医療情報部)
  • 木平 健治(広島大学・広島大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
市販後調査として使用成績調査、特別調査、市販後臨床試験が実施されてきた。特に、使用成績調査は、治験と異なり、患者条件を規定しない適正使用情報を提供する重要な情報源である。しかしながら、安全性に緊急を要する場合を除いて、承認後4-10年後に再審査結果として公表されるのみで、迅速に医療現場に役立つ情報源として活かされることは少なかった。近年、医療機関における医療情報の電子化が急速に進展している。電子化された処方箋情報、検査情報、患者情報、診療情報を連結、収集し、統計解析をすることにより、これまでより、迅速かつ効率的に適正医療情報を医療現場に提供することが可能になった。
研究方法
医療施設における医療情報の電子化、薬剤の適正使用情報を収集する際に必要な情報の電子化状況、情報収集上の問題点を把握するために、アンケート調査を実施した。このアンケート調査は、2004年3月、日本病院薬剤師会の協力により、所属している会員施設のうち、国立、公立、私立の大学病院、国立病院、都道府県立病院、市町村立病院、日赤病院の全1495施設を対象として調査表を送付した。アンケート回答者は主に薬剤部の方としたが、必要に応じてシステム担当者にも相談する旨を記載した。調査期間は、2004年3月4日から3月31日までの約一ヶ月とし、Faxにより回収した。質問内容は、「1.施設について」、「2.施設における医療情報のIT化について」、「3.薬剤の適正使用情報を収集する上で必要な情報の電子化について」、「4.医療情報管理システムについて」、の4部門から構成された。全体の回収率は36%(533施設)であり、国立大学病院、私立大学病院、日赤病院から多くの回答を得た。
結果と考察
アンケート時点で何らかの医療情報が電子化されている施設は71%(376施設)であり、全体として大学病院、特殊機能病院、総病床数の多い病院ほど医療情報が電子化されている傾向にあった。患者基本情報、患者背景情報、投薬情報は約8割以上で電子化されていたが、診療所見情報、副作用・有害事象情報は電子化されていない傾向(約1割程度)にあった。診療情報を利用し、観察研究をする場合は、患者プライバシーの保護を考慮しなければならないが, 患者の匿名化、倫理委員会での規定、インフォームドコンセントの受領はまだ整備されていない状況であった。今回の結果より、副作用情報の電子化方法の考察、施設内の倫理規定を精査する必要がある。
結論
結果と考察を踏まえ、次年度に実施する研究のプロトコールに反映し、複数の医療機関からの電子化された患者情報を収集、解析する研究を行う予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-23
更新日
-