医薬品、医療機器等の安全性情報の提供・収集・解析方法及び企業による市販後安全管理のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200401206A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品、医療機器等の安全性情報の提供・収集・解析方法及び企業による市販後安全管理のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
幸田 幸直(国立大学法人筑波大学(大学院人間総合科学研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 堀内 龍也(国立大学法人群馬大学(大学院医学系研究科))
  • 藤田 利治(国立保健医療科学院(疫学部疫学))
  • 岩崎 学(成蹊大学(工学部経営・情報学科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
14,085,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今回の研究では、昨年度に引き続き、薬事法に基づき行われている製造業者による情報収集及び国への報告のありかたについて製薬企業へのアンケートにより検討する。さらに、医療機関による製造業者等への協力及び国への直接報告については薬局を中心に検討し、また副作用自発報告に関するシグナル検出の実用化について、さらに安全性の科学的評価システムについて検討する。
研究方法
①医薬品、医療用具等の副作用・不具合等情報の収集・提供にかかる諸制度のあり方として、薬事法の規定に基づき製造業者及び医療関係者が行う副作用・不具合等情報の収集・提供について、新たな制度の構築の在り方をさぐる。
②市販直後における安全対策及び具体的な取り組みのあり方として、市販直後調査について、薬局を対象に調査する。
③企業における市販後安全対策の社内体制のあり方として、製造販売業許可制度の下、求められる企業のあり方についてアンケート調査により調査を実施する。
④収集した情報の解析手法の手段として、科学的評価システムの構築を検討する。
⑤副作用自発報告におけるシグナル検出の実用化を検討する。  
結果と考察
市販直後調査については、制度開始後間もないことから、製造業者及び医療関係者などの関係者に対する周知が依然不十分であるとともに、製造業者による実施方法、及びそれに対して協力する医療機関における体制などについて未整備な部分もあり、医療現場の実情に即した制度として、さらなる充実を図ることが必要である。製造業者等による市販後の安全対策については、国民及び医療関係者からみて依然として不十分との感があり、また改正薬事法の下、供給する製品に関する安全対策を徹底して実行するための体制の強化は企業によってばらつきがあり、水準以下の企業の努力を誘導する方法が必要であると考えられる。収集情報の有効活用を図るためには、得られた情報からのシグナルの的確な検出が必要であり、それらの情報を効率的、かつきめ細かく解析・評価するためには、科学的評価システムを実用化することが必要である。
結論
市販後の副作用報告制度や、企業及び医療機関による情報収集・提供など安全対策を行うための基盤となる仕組みについて、各方面の実態を把握し、それらの問題点を精査し、必要な手立てを打っていくことが望まれる。また、調査結果をベースとして検討、解析、評価するシステムの実用化が、市販後安全対策の強化を図るうえで必須であると考える。

公開日・更新日

公開日
2010-06-28
更新日
-

文献情報

文献番号
200401206B
報告書区分
総合
研究課題名
医薬品、医療機器等の安全性情報の提供・収集・解析方法及び企業による市販後安全管理のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
幸田 幸直(国立大学法人筑波大学(大学院人間総合科学研究科))
研究分担者(所属機関)
  • 堀内 龍也(国立大学法人群馬大学(大学院医学系研究科))
  • 藤上 雅子(社団法人日本薬剤師会)
  • 藤田 利治(国立保健医療科学院(疫学部疫学))
  • 岩崎 学(成蹊大学(工学部経営・情報工学科))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬事法に基づき行われている製造業者による情報収集、ならびにその国への報告、および医療機関による製造業者等への協力、ならびに情報の国への直接報告について、問題点を洗い出し、その現状を評価し、検討する。さらに、情報のデータべース化やシグナル検出の実用化を検討する。

研究方法
・医薬品、医療機器等の副作用・不具合等情報の収集について抗がん剤を例にして調査検討する。
・市販直後調査の現状を評価し、今後の在り方を考えるため、医療関係者が行う副作用・不具合等情報の収集・提供について、薬局を対象に調査を実施する。
・製薬企業における市販後安全対策の社内体制のあり方を提案するため、15年度に予備調査を実施し、16年度にアンケート調査を実施する。
・医薬品の適正使用のためのデータベースの構築を試みる。
・副作用自発報告によるシグナル検出の実用化に向けた検討を行う。
・安全性に関する科学的評価システムの構築の検討を行う。
結果と考察
情報の収集について抗がん剤を例にして調査検討した結果、副作用発現機構、遺伝子多型、長期投与、エンドポイント、情報収集方法などの問題点が見られた。薬局の情報収集提供機能については、関係団体との連携、周知徹底、情報回収方法、企業のフィードバックなど、種々の検討課題が見えてきた。製薬企業における市販後安全対策の社内体制のあり方については、企業間の情報管理に対する取り組み方のバラツキが大きく、水準以下の企業に対して努力を促す必要を感じた。また、医薬品の適正使用のためのデータベースの構築は、重要な施策として今後とも発展させる必要があるといえる。副作用自発報告によるシグナル検出は、今後とも種々の例について検証を続け、実用化が図れるものと考える。安全性に関する評価システムは、これまで経験的に行われてきたものを、科学的なシステムとして確立する必要がある。
結論
副作用・不具合等情報の収集については、情報の収集方法や質などの問題点がある。医療関係者が行う副作用・不具合等情報の収集・提供については、関係団体との連携、周知徹底、情報回収方法、企業のフィードバックなど、検討課題が多い。製薬企業における市販後安全対策の社内体制のあり方については、企業間の情報管理に対する取り組み方のバラツキをなくす工夫が必要である。医薬品の適正使用のためのデータベースの構築は、早急に発展させる必要がある領域であり、副作用自発報告によるシグナル検出もまた、早い実用化が望まれる。医薬品・医療機器等の安全性に関する評価システムは、これまた早急な科学的なシステムとして確立する必要があることが考えられる。

公開日・更新日

公開日
2010-06-28
更新日
-