患者にとって重篤な副作用をもたらす催奇形性等のリスク評価の手法及びその情報提供のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
200401205A
報告書区分
総括
研究課題名
患者にとって重篤な副作用をもたらす催奇形性等のリスク評価の手法及びその情報提供のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 裕之(筑波大学臨床医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 三橋 直樹(順天堂大学医学部附属順天堂静岡病院)
  • 加藤 賢朗(虎ノ門病院)
  • 林 昌洋(虎ノ門病院)
  • 濱田 洋実(筑波大学臨床医学系)
  • 佐藤 信範(千葉大学薬学系研究院)
  • 村島 温子(国立成育医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,695,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1.妊娠・授乳中に薬剤を服用した症例の情報のデータベース構築の方法を確立すること。
2.看護師による妊婦・授乳婦に対する医薬品の情報提供の現状を把握すること。
3.それに関する患者および産婦人科以外の一般医師の意識を明らかにすること。
4.具体的医薬品について個々に添付文書の問題点を明らかにすること。
5.NMRによる母乳中の薬物測定の可能性を明らかにすること。
研究方法
目的1?5を達成するために、症例の情報のデータベース構築の方法を検討し、各種アンケート調査を遂行し、個々の薬剤の添付文書について検討した。また、NMRを用いて母乳の解析を行った。
結果と考察
1.問診表を完成させ、追跡調査のはがきを完成させた。相談事例のデータベース構築手法の確立は急務であると考えられた。
2.91%が妊婦・授乳婦への薬剤使用に関する分類基準が必要と答え、臨床での有効利用を十分考慮した妊婦・授乳婦に使用する薬剤の有効性・安全性に関する分類基準が必要であると考えられた。
3.妊婦・授乳婦は、現状では特に薬剤師からの添付文書に基づいた情報提供について不満を持っていた。一方、一般医師にも添付文書への批判が強く、患者や医師を対象とした「妊娠と薬に関する一般的なQ&A」を作成することも検討すべきと考えられた。
4.各種薬剤について、その添付文書の問題点と変更の方向性を指摘することができ、現時点で改訂可能な薬剤の添付文書は早急に改訂すべきと考えられた。
5.従来法による乳汁中の薬物測定では煩雑な手技を要するのに対して、NMRでは手技が容易で有用と考えられた。
結論
わが国においては、個々の医薬品の情報はその添付文書によって医師、薬剤師、看護師等の医療関係者に提供されているが、実際の医療現場では必ずしもその医薬品を妊婦・授乳婦に投与する際に有益な情報となっていない。したがって、現時点で改訂可能な薬剤の添付文書は早急に改訂するとともに、妊婦・授乳婦に使用する薬剤の有効性・安全性に関する分類基準が必要であり、患者および医師のそれぞれを対象とした「妊娠と薬に関する一般的なQ&A」を作成することも検討すべきである。また、厚生労働省による妊娠とクスリ情報センター(仮称)事業においては相談事例のデータベース構築手法の確立が急務である。一方、NMRによる乳汁中の薬物測定が従来法に比較して有用である可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200401205B
報告書区分
総合
研究課題名
患者にとって重篤な副作用をもたらす催奇形性等のリスク評価の手法及びその情報提供のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
吉川 裕之(筑波大学臨床医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 三橋 直樹(順天堂大学医学部附属順天堂静岡病院)
  • 加藤 賢朗(虎の門病院)
  • 林 昌洋(虎の門病院)
  • 濱田 洋実(筑波大学臨床医学系)
  • 佐藤 信範(千葉大学薬学系研究院)
  • 村島 温子(国立成育医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品の催奇形性等の具体的情報がどのような形で患者に提供されているか、そのわが国における現状を解析し問題点を明らかにすること、ならびに、実際に妊産婦・授乳婦にどのような医薬品が使用されているかを明らかにするとともに、その添付文書の問題点を明らかにすること、さらに、妊娠・授乳中に薬剤を服用した症例の情報のデータベース構築の方法を確立すること、および、直接NMRにapplyする手技による母乳中の薬物測定の可能性を明らかにすること。
研究方法
わが国および諸外国の現状の調査・解析、および各種アンケート調査を遂行し、加えて個々の薬剤の添付文書について検討した。症例の情報のデータベース構築の方法の検討、NMRを用いた母乳の解析を行った。
結果と考察
わが国においては、個々の医薬品の情報は主にその添付文書によって医師、薬剤師、看護師に伝えられ、その後患者に伝えられていた。しかしながら、それはけっして満足のいくものではないと考えられた。早急な改訂が必要な添付文書が存在し、臨床での有効利用を十分考慮した妊婦・授乳婦に使用する薬剤の有効性・安全性に関する分類基準が必要であると考えられた。また、患者や医師を対象とした「妊娠と薬に関する一般的なQ&A」を作成することも検討すべきと考えられた。相談事例のデータベース構築手法の確立は急務であると考えられた。NMRを用いた母乳の解析は、従来法より手技が容易であった。
結論
わが国においては、個々の医薬品情報はその添付文書によって医師、薬剤師、看護師等に提供されているが、実際の現場では必ずしもその医薬品を妊産婦・授乳婦に投与する際に有益な情報となっていない。また、受け取り手である患者も満足していない。したがって、通常の産科診療で使用される可能性のある薬剤は非常に少ないため、当面かなり限られた数の医薬品の検討で十分であることもふまえて、現時点で改訂可能な添付文書は早急に改訂するとともに、妊産婦・授乳婦に使用する薬剤の有効性・安全性に関する新たな分類基準が必要であり、患者および医師の各々を対象とした「妊娠と薬に関する一般的なQ&A」を作成することも検討すべきである。また、厚生労働省による妊娠とクスリ情報センター(仮称)事業においては相談事例のデータベース構築手法の確立が急務である。一方、NMRによる乳汁中の薬物測定が従来の方法に比較して有用である可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-