無菌医薬品製造に関する国際規格の国内導入に関する研究

文献情報

文献番号
200401200A
報告書区分
総括
研究課題名
無菌医薬品製造に関する国際規格の国内導入に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
棚元 憲一(国立医薬品食品衛生研究所(食品添加物部))
研究分担者(所属機関)
  • 佐々木次雄(国立感染症研究所(細菌第2部))
  • 那須 正夫(大阪大学大学院(薬学研究科))
  • 川村 邦夫(大塚製薬株式会社(徳島本部))
  • 中川 恭好(独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部)
  • 佐々木 学(社団法人北里研究所(医薬品品質保証))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品の無菌製造法に関するISO規格案や、欧米のガイドライン等を参考に、日本版「無菌医薬品製造に関するガイドライン」を作成する。さらに国際規格を反映した日局微生物試験法の充実を目指し、「微生物の迅速検出法の日局導入」、「日局指定菌株の特性と維持管理」の日局導入評価研究を行う。
研究方法
「無菌医薬品製造に関するガイドライン」:総勢15名の協力研究者からなる研究班を立ち上げ、指針作成に必要な関連資料をベースにガイドライン素案の作成を行った。「微生物の迅速検出法の日局導入」:マイクロコロニー法を中心に、水環境中の細菌数及び特定細菌の定量法の検討を行った。「日局指定菌株の特性と維持管理」:同定キットを用いた自動細菌検査装置等により、指定株の性状検討を行った。「防腐剤無添加製剤の無菌性保証に関する研究」インフルエンザHAワクチンを対象としてパルス光滅菌による無菌性保証の検証を行った。
結果と考察
1)前年度に引続き、修正指針案を完成させた。作成した日本版ガイドラインは、EU-GMPやFDAガイドライン等と比較した場合、無菌医薬品製造に関する記載要件が具体性に富み、関係者(製薬企業や薬事監視担当者等)には理解しやすいものになっていると思われる。2)微生物を、迅速・簡便、高精度に定量する方法としてマイクロコロニー法を検討し、プロトコールの標準化を行った。本法では計数値の個人差は低いが、その省力化には市販の微生物自動計数システムの利用も有効である。また、適切な培地のにより特定細菌の検出定量も可能である。「日局指定菌株の特性と維持管理」今年度は保存菌株に対して市販同定キットを用いた性状調査を行ったが、正確な同定には16S rRNA塩基配列に基づく検証などとの連携が必要であると思われる。
結論
今年度は、以下の成果を得た。1)平成17年の薬事法改正に伴う省令GMP の見直し作業に合わせて、「無菌操作法による無菌医薬品の製造」に関する指針案を作成した。2)マイクロコロニー法は、平板培養法よりも迅速かつ高精度に生菌数を測定できること、また特定細菌の定量も可能であることを示した。3)菌株の性状データは、保存菌株の変異等の確認には有用であるが、それだけでは同定できないこと、他の方法を併用する事で総合的に判断する必要がある。4)パルス光照射は滅菌には有効であったが、力価が減少することから、蛋白製剤への導入は難しい。

公開日・更新日

公開日
2005-04-12
更新日
-