混合ワクチンの品質確保に関する研究

文献情報

文献番号
200401198A
報告書区分
総括
研究課題名
混合ワクチンの品質確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
宮村 達男(国立感染症研究所ウイルス第二部)
研究分担者(所属機関)
  • 武田 直和(国立感染症研究所ウイルス第二部)
  • 新谷 三春(国立感染症研究所細菌第二部)
  • 高橋 元秀(国立感染症研究所細菌第二部)
  • 堀内 善信(国立感染症研究所細菌第二部)
  • 多屋 馨子(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ワクチン関連マヒという生ポリオワクチンの重大な副作用をなくし、かつ社会レベルの免疫を保ち、ポリオの根絶を達成するためには不活化ポリオワクチンの導入は必須である。本研究では、不活化セービンワクチン(sIPV)と既に製造使用されているDTaPワクチンとの混合ワクチンを試作し、その安全性、有効性を評価し、ワクチンの品質管理を確立するための生物学的製剤基準の作成を目的とした。
研究方法
感染症流行予測調査事業で実施されている百日咳、ジフテリア、破傷風の感受性調査を行なった。DTaP力価試験および安全性試験を国内生物学的製剤基準の試験法に準拠して実施した。国内sIPV参照品(候補)を作製し、各種品質管理試験を行なった。各社ごとにsIPV-DTaPワクチンを試作した。ポリオウイルス免疫原性試験法はラットを用いて行なった。ポリオウイルスD抗原量はELISAで行なった。
結果と考察
小児期に受けたDPTワクチン、DTトキソイド、DPワクチンの効果により、20代までは抗体保有率が高く維持され、現行のワクチンの有用性が示された。ジフテリアトキソイドの力価は、国内製剤とほぼ同様の値、破傷風トキソイドおよび百日せきワクチンの力価は国内製剤より有意に高いものがあった。国内DTaP-IPV試作ワクチンに顕著な毒性は見られなかった。sIPV追加による百日せきワクチン毒性試験への影響はみられなかった。国内sIPV参照品候補は全ての試験において規格値を満たしていた。試作混合ワクチンの力価は一年間安定であった。
結論
小児期に接種を受けたワクチンの免疫は成人になっても維持されていたが、0歳児の百日咳、40歳以上の破傷風対策が必要である。ポリオ研製sIPV追加による百日せきワクチン毒性試験への影響はなかった。sIPVのラット力価試験では全ての型に対してメスの感受性が高かった。2-PEの力価への影響はみられなかった。国内sIPV参照品候補は、WHO参照品や外国製IPVに匹敵する免疫原性を保持していた。DPTの生物学的製剤基準をベースにsIPVの品質試験を上乗せすることで、DTaP-sIPVの生物学的製剤基準(案)を作成することが可能と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-