一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保等に関する研究

文献情報

文献番号
200401196A
報告書区分
総括
研究課題名
一般用漢方処方の見直しに資するための有用性評価(EBM確保)手法及び安全性確保等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究分担者(所属機関)
  • 能勢 充彦(名古屋市立大学大学院 薬学研究科)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院 薬学系研究科)
  • 川原 信夫(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
12,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬局長検討会での報告、提言「セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について 提言ー具体的な方策ーを受け、薬事行政の施策に反映する目的で行う。
研究方法
A一般用漢方処方の有用性評価(EBM確保)のための手法の確立、B同処方の有用性評価(EBM確保)のための実証的研究、C同処方の品質及び安全性確保のための研究、D同処方のATC分類に関する研究、E漢方処方の国際調和に関する研究を並行して行い、各々の研究成果を有機的に連動させながら、F一般用漢方処方の見直しを図るための調査研究で、同処方の見直し案の作成を行う。
結果と考察
A一般用漢方処方のパイロット使用実態調査研究(AUR)研究班を立ち上げ、一般用で売り上げ上位の方剤から、加味逍遙散と葛根湯を選択し、それぞれAURを実施した。B効能・効果として対応する症状表現がないが、臨床上アトピー性皮膚炎等アレルギー症状の治療に用いる7処方について、病態モデル動物等を利用し、有効性の解析を行った。C一般用漢方収載処方及び新規候補処方で使用され且つ日本薬局方(JP)未収載生薬について、JP収載を目的に確認試験法等を検討した。D世界的にも消費量が多く副作用情報の蓄積が進んでいる日本の漢方処方に対しATC分類システムを開発、ATCコード付けを行った。また漢方処方のローマ字表記法を確定した。E 漢字文化圏で国内に漢方と同じ治療体系を持つ諸国間で組織された国際調和のフォーラムFHHの日本での活動を支援した。また、上海で行われたStanding Committee、北京で行われた専門家会議に参加した。F本年度は従来の210処方について提言に対応し、しばりの明確化と判り易い効能効果を検討するとともに、原典の誤りの訂正、解説の充実等の見直しを行い、「一般用漢方処方の手引き既収載処方改定案」を作成した。
結論
A AURは有用性評価の手法として有効な手段であることが示唆された。B清上防風湯投与群において、再現性よく皮膚炎症状の軽減、進展の抑制が認められた。C検討された試験法はJPに収載される。D主薬、基本処方、漢方的概念を考慮しATCコードを付与した。決定されたローマ字表記法は、JPに反映される他、主要3学会で統一的に用いられる。E FHHの日本での活動を支援し、日本からの情報発信に貢献した。F今後、新規収載候補処方についても作業を行い新一般用漢方処方案を完成させる。

公開日・更新日

公開日
2005-08-03
更新日
-