文献情報
文献番号
200401195A
報告書区分
総括
研究課題名
ファーマコゲノミクスの合理的使用のための医薬品開発と医薬品行政のあり方に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
津谷 喜一郎(東京大学大学院薬学系研究科医薬経済学)
研究分担者(所属機関)
- 東 純一(大阪大学大学院薬学研究科臨床薬効解析学)
- 小野 俊介(金沢大学大学院自然科学研究科)
- 具嶋 弘(久留米大学医学部)
- 玉起 美恵子(山之内製薬株式会社製品企画部)
- 増井 徹(国立医薬品食品衛生研究所)
- 渡邉 裕司(浜松医科大学臨床薬理学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品の開発、実際の使用におけるファーマコジェネティクス/ファーマコゲノミクス(PGt/PGx) の影響の大きさが注目されているにも関わらず、その現状はあまり把握されているとは言えない。3年計画の2年目は昨年に引き続き、PGt/PGx の今後のあるべき姿、そのためにはどうすべきか、に関する議論の基礎資料として、種々の情報を整理し、指針・ガイドラインなどにおいて必要となる事項や留意点、必要な行動などを明らかにする。
研究方法
(1) CIOMS (Council of International Organization of Medical Sciences, 国際医科学協議会) Working group(WG) on PGt への参加・討議・報告書作成および展開
(2) PGx を用いた臨床試験の動向と問題・今後のあり方の調査研究
(3) PGt の発展の差し迫った障害に関する研究
(2) PGx を用いた臨床試験の動向と問題・今後のあり方の調査研究
(3) PGt の発展の差し迫った障害に関する研究
結果と考察
CIOMS WGに参加するとともに、アジア初の1st DIA Japan PGx Workshop(2004.9.2-3)、フォーラム:PGx 治験の問題と解決法(2005.2.21)、の開催などによりPGt/PGx の動向調査、関係者との討議を行った。2005年1月にCIOMSより過去3年間の議論をまとめた報告書が出され、本研究班の班員を中心に翻訳を行っており、2005年6月に出版予定である。
インターネットを利用した一般の人々を対象のPGx に対する意識調査のシステム設計と設問内容を確定した。その過程で、PGxを含む臨床試験に対する倫理委員会の対応に統一基準がない、判断基準に科学的ベースが必ずしもない、判断基準が一般市民のコンセンサスに基づいていない可能性が指摘された。そこで、アンケートでは、PGx を含む臨床試験で特に問題になる、判定遺伝子多型の対象拡大、試料の保存の問題も含むものとした。
非医療的ゲノム情報の利用の枠組みが社会に広がっているが、この問題への対処は体系的に行われていない。PGt の今後の進展にとって、大きな障害となる可能性が高く、迅速な対応が必要である。
インターネットを利用した一般の人々を対象のPGx に対する意識調査のシステム設計と設問内容を確定した。その過程で、PGxを含む臨床試験に対する倫理委員会の対応に統一基準がない、判断基準に科学的ベースが必ずしもない、判断基準が一般市民のコンセンサスに基づいていない可能性が指摘された。そこで、アンケートでは、PGx を含む臨床試験で特に問題になる、判定遺伝子多型の対象拡大、試料の保存の問題も含むものとした。
非医療的ゲノム情報の利用の枠組みが社会に広がっているが、この問題への対処は体系的に行われていない。PGt の今後の進展にとって、大きな障害となる可能性が高く、迅速な対応が必要である。
結論
CIOMS WG、DIA Workshop、フォーラムにより国際的なPGt/PGx の情報を収集・分析し、関係者との議論を深めた中で、一般の人や関係者の啓発活動が重要な課題であることが認識された。アンケート調査により、PGt/PGx に関する社会的認識が明らかにされ、行政から市民への啓発、そのためのコミュニケーション・マテリアルの開発、臨床試験を行う大学・企業の自己規制、臨床試験倫理委員会の合理的判断に貢献すると考える。
公開日・更新日
公開日
2005-08-03
更新日
-