文献情報
文献番号
200401176A
報告書区分
総括
研究課題名
癌免疫細胞療法における凍結血漿の使用に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡 正朗(山口大学(医学部))
研究分担者(所属機関)
- 谷 眞至(和歌山県立医科大学(医学部))
- 有賀 淳(東京女子医科大学(医学部))
- 山口佳之(広島大学(医学部))
- 片野光男(九州大学大学院(医学研究院))
- 上田祐二(京都府立医科大学(医学部))
- 河野浩二(山梨大学(医学部))
- 平家勇司(国立がんセンター(薬効試験部))
- 硲 彰一(山口大学(医学部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
細胞免疫療法に使用される免疫細胞においても医薬品としての安全性・有効性の確保は極めて重要な課題である。中でも、培養時の添加物として輸血製剤である凍結血漿を使用している施設があり、凍結血漿はヒトからの供給によるため、緊急時の供給量の確保や未知の感染症、免疫反応等の問題を内在しており、細胞培養時の使用は献血者に対する倫理性、投与患者に対する安全性の面から問題となっている。本研究では、本邦における細胞免疫療法の現状について調査するとともに、各種細胞培養法による抗腫瘍活性誘導効率を検討することにより、凍結血漿の不必要性を証明することを目的とした。
研究方法
1年間で細胞療法を行っている施設のアンケート調査を行い、凍結血漿の使用状況を把握すると共に、FFPによると思われる有害事象について調査する。また、基礎研究において細胞培養において、凍結血漿の使用の必要性について確認することを目的とした。今回本研究に参加する施設では、癌細胞免疫療法をすでに倫理委員会承認の下に臨床応用しており、患者に対するインフォームドコンセントも整備されている。
結果と考察
細胞培養条件では、各施設で現在使用されているメディウムならびに血清成分、細胞培養における血清成分の必要性、GMP gradeの細胞誘導を行うにあたり越えるべき問題点、などを検討し、何らかの血清成分は必要であるが、FFP以外のもので代用できる可能性が示唆された。班員の施設ならびに筑波大学の9施設中でFFPを使用しているのは1施設のみであり、FPの不必要性が強く示唆された。民間細胞療法の調査に関しては、アンケート調査方法等について問題提起と具体的調査方法を検討した。また、全国で民間細胞療法を行っている施設名が、35施設リストアップされた。細胞誘導条件の検討では、患者血清では誘導不良例があるとの意見から患者血清と健常者血清は両者を必ず使用して比較検討することなどを取り決め、班員各施設においてFFPの不必要性を裏付けるデータを収集することが取り決められた。
結論
本年度の研究・調査により、細胞誘導条件では、何らかの血清成分は必要であるが、FFP以外のもので代用できる可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2005-05-12
更新日
-