日本薬局方等医薬品基準の国際ハーモナイゼーションに関する研究

文献情報

文献番号
200401170A
報告書区分
総括
研究課題名
日本薬局方等医薬品基準の国際ハーモナイゼーションに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
川西 徹(国立医薬品食品衛生研究所(生物薬品部))
研究分担者(所属機関)
  • 小嶋 茂雄(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)
  • 早川 堯夫(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 関田 節子(徳島文理大学 香川薬学部)
  • 吉岡 澄江(国立医薬品食品衛生研究所(薬品部))
  • 中村 洋(東京理科大学 薬学部)
  • 松田 芳久(神戸薬科大学)
  • 青柳 伸男(国立医薬品食品衛生研究所(薬品部))
  • 宮田 直樹(名古屋市立大学 薬学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本薬局方に記載されている一般試験法や医薬品・添加剤の各条規格などについて、今後の改正に向けた提言をまとめ、我が国における医薬品の規格書・基準書としての役割を負う日本薬局方を、欧米の薬局方と整合性をもった国際化の時代に相応しいものとする。
研究方法
日本薬局方の一般試験法や医薬品・添加剤の各条規格などについて、国際調和を考慮にいれて改正を検討すべき課題を抽出し、諸外国の薬局方との比較ならびに実験的検証を行った。
結果と考察
1.化学合成医薬品関連:第15改正日本薬局方の参考情報に収載予定の「製薬用水の品質管理」に関する検討を進めるため、日米欧3薬局方間で扱いが異なっている膜法により製した水について、信頼性検証のためのプロトコールを作成した;2.生物医薬品関連:生物由来医薬品であるウリナスタチンを材料に品質評価法について検討し、各条に設定されている分子量試験法では理論分子量と比較して高分子量に測定されることを指摘した;3.生薬関連:キューバ薬局方制定に向けた技術指導のための予備調査として、収載予定の生薬について、日本薬局方の試験法が適用できる可能性を確認した;4.医薬品添加剤関連:日米欧3薬局方間で考え方に違いがある機能性関連物性の取り扱いについて、日本薬局方収載にあたっての基本的な考え方を提示した;5.理化学試験法関連:近赤外分光法によって、高速液体クロマトグラフィー用充填剤上の残存シラノール基密度を推定できることを示した;6.物性試験法関連:第15改正日本薬局方の参考情報に収載予定の粉体の流動性測定法について検討し、環状型剪断セル法が測定値の信頼性において優れていることを示した;7.製剤試験法関連:既に国際調和された溶出試験の適否判定法における問題点を、モデル実験の結果に基づいて指摘した。また、日米間で溶出試験法の条件に相違点が多いことを指摘した;8.名称関連:第15改正で予定されている医薬品名称の変更作業を、科学的根拠と国際調和の観点に基づいて適切かつ円滑に遂行するための調査研究を行った。
結論
日本薬局方の一般試験法と各条規格について、国際調和を目指した研究を行い、今後の改正に反映される成果を得た。また、本研究の成果は、ICH(医薬品承認審査ハーモナイゼーション国際会議)やPDG(薬局方検討会議)などの国際的な場で、日本側の主張に科学的根拠を与えるものとなる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-12
更新日
-