医療機器の性能基準設定に関する研究

文献情報

文献番号
200401164A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機器の性能基準設定に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
梶谷 文彦(岡山大学大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 古川 孝(日本医療機器関係団体協議会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療機器(機器及び材料)が有するべき「性能」に関する概念を明確化し、しかもその概念は社会的に容認される科学的根拠に裏付けられた定義を明確にしつつ、「医療機器の性能基準の設定に関するガイドライン案」を確立することを目的としている。
研究方法
医療機器の性能に関する考え方については、国際的には確立されておらず、個々の企業で対応しているのが実状である。本研究を進めるにあたって、次の諸点について整理して研究を行った。
1)事業者における設計・開発時の性能の考え方と安全性確保に関する調査研究
2)医療機関における医療機器の性能に関する調査研究
3)医療機器の性能に関する安全性調査研究
4)国際的動向の調査
医療機関側から6名そして企業側から6名の計12名の協力研究者の参加による研究班会議を通して、性能の考え方、ISO/IECにおける基本要求事項を構成する基本安全と基本性能の関係、性能と安全、機能、品質や効能との係わり方を検討し、イメージ的に概念を捕らえた。
結果と考察
医療機器の性能に関する調査研究では、医療機器を開発・製造する企業側とその医療機器を使用する医療従事者、さらには医療を受ける患者の立場で性能の概念が異なることが浮き彫りになった。また企業側でも医療機器の機械系と材料系で性能のとらえ方が異なることも分かった。それぞれの立場で性能をとらえるのではなく、マクロな視点で共通する性能という概念をとらえていく必要がある。国際的動向の調査として、GHTFやISO/IECの資料調査を行い、特にIEC 513 :1994「医用電気機器の安全規格に関する基本事項」を取り上げた。国際的な概念としては、safetyを高めriskを下げる方向に向かっており、safetyはbasic safetyとessential performanceからなるessential requirementsが基準となっている。以上のことを踏まえて性能と安全について検討を進めた結果、性能のうち定義された範囲の基本的性能と基本的安全を基本要件とし、基本要件を超えた部分を上乗せされた性能あるいは安全とする考え方を根底にして性能の概念そして定義を明確化する方向性を確認した。
結論
性能のうち定義された範囲の基本的性能と基本的安全を基本要件とし、基本要件を超えた部分を上乗せされた性能あるいは安全とする概念が方向付けされた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-20
更新日
-