小児薬物療法におけるデータネットワークの実用性と応用可能性に関する研究

文献情報

文献番号
200401160A
報告書区分
総括
研究課題名
小児薬物療法におけるデータネットワークの実用性と応用可能性に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
石川 洋一(国立成育医療センター(薬剤部))
研究分担者(所属機関)
  • 中村 秀文(国立成育医療センター(治験管理室))
  • 加藤 裕久(国立がんセンター中央病院(薬剤部))
  • 山口 正和(国立がんセンター東病院(薬剤部))
  • 寺門 浩之(国立国際医療センター(薬剤部))
  • 岩崎 利信(日本製薬工業協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究班は、平成13~15年度で小児科領域における医薬品適応外使用の改善および治験・臨床試験の推進を目的としてデータネットワークモデル(全国32医療施設協力)を構築した。
 今後3年で、本ネットワークを実際の治験等で試験的に使用し実用性・応用可能性を検証して行く。また、処方全例実績調査や治験実施・基盤整備状況調査を継続し、蓄積された情報の有効利用の方策を考案していく。
研究方法
1.全国254施設を対象とした治験実施・基盤整備状況調査結果に基づき作成した「臨床試験候補施設選定案」を、治験・市販後調査等の施設選定時に利用してその実用性の評価を行う。
2.小児薬用量を添付文書上に記載していくためには、小児の薬物動態試験をどの様にデザインして実施すればよいのか、既存のデータがある場合はどの様な基準で評価し活用すればよいのか試案を作成し、医薬品の実例で評価検討する。
3.適応外使用医薬品実態調査(処方全例調査)を「ジアゼパム」の全剤形でモデル実施し、結果を製薬企業と評価し、医薬品の適正使用に向けてデータの有効利用の方策を検討する。
4.「注射用プロスタンディン20μg」市販後調査の一部に本ネットワークを利用し、その実用性を検証する。
5.小児に係わる添付文書の記載内容を、臨床において処方判断時に有用な情報としていくため、どのような情報をどのように添付文書に記載すれば良いかを検討する。
結果と考察
 薬物動態試験データの活用方法については今まで検討を行うための基盤さえ無く、今回の実例を用いて検証しての試案は非常に意義深いものと考える。
ジアゼパムの処方実態調査では、全症例1746件中389件(1ヶ月)の適応外使用が報告された。17年度からは、厚生労働省で小児に対する薬物療法の根拠情報収集事業が開始される。この事業で全国的な規模で小児科領域における薬物療法の有効性・安全性情報を収集する際に、本研究で構築したネットワークと、研究から得られた収集に向けてのノウハウを活用すれば効率的なデータの収集が可能になると考える。
結論
 今年度は5つの分担研究を実施し、各研究とも有用な情報を得ることが出来た。これらの研究は、殆ど前例がないものであり、本研究で蓄積された情報が有効利用されれば、小児科領域の医薬品の適応外使用改善及び実施が困難な治験・臨床試験推進をとおして医薬品の適正使用に向けて大きな貢献をすることが可能であると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-05-11
更新日
-