文献情報
文献番号
200401159A
報告書区分
総括
研究課題名
小児等の特殊患者群に対する医薬品の有効性、安全性情報の収集とそれらの情報に基づくリスク評価・管理手法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松田 一郎(北海道医療大学)
研究分担者(所属機関)
- 松田 一郎(医療福祉法人志友会芦北学園/北海道医療大学)
- 大西 鐘壽(高松短期大学)
- 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター・新生児科)
- 森田 修之(香川大学医学部附属病院・薬剤部)
- 伊藤 進(香川大学医学部・小児科学)
- 中村 秀文(国立成育医療センター・治験管理室)
- 佐地 勉(東邦大学医学部・第一小児科)
- 桑原 雅明(武田薬品工業株式会社医薬開発本部 日本開発センター 薬事管理部)
- 嶌村 俊朗(三菱ウェルファーマ(株)開発第三部)
- 岩崎 利信(塩野義製薬(株) 東京支店 業務部)
- 伊藤 進(日本未熟児新生児学会)
- 佐地 勉(日本小児循環器学会)
- 大澤 真木子(日本小児神経学会)
- 月本 一郎(日本小児血液学会)
- 河野 陽一(日本小児アレルギー学会)
- 大浦 敏博(日本先天代謝異常学会)
- 本田 雅敬(日本小児腎臓病学会)
- 田中 敏章(日本小児内分泌学会)
- 浅野 喜造(日本小児感染症学会)
- 井上 壽茂(日本小児呼吸器疾患学会)
- 河島 尚志(日本小児栄養消化器肝臓学会)
- 石崎 優子(日本小児心身医学会)
- 大西 鐘壽(日本小児臨床薬理学会)
- 永井 敏郎(日本小児遺伝医学会)
- 宮島 祐(日本小児精神神経学会)
- 田原 卓浩(日本外来小児科学会)
- 宮川 三平(日本小児東洋医学会)
- 村田 光範(日本小児運動スポーツ研究会)
- 阪井 裕一(日本小児救急学会)
- 横田 俊平(日本小児リウマチ研究会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
20,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児における適用外医薬品、および未承認薬の問題は小児医療を円滑に行うためにぜひ解決しなければならない。これまの4国公立大学附属病院、1総合病院の調査では1年間に151,375人の小児(15才未満)に使用されている薬価収載医薬品数は2,032品目で、そのうち小児等への適応外使用医薬品は実に約75%で、このうち用法・用量の記載がなされているのは21.4%に過ぎず、また45.1%の医薬品では添付文書上の情報提供もされていない。他に個人輸入薬、院内製剤、試薬の医薬品への転用等の未承認薬が小児医療では多く存在する。この状況から脱却するために、小児用医薬品の有効性・安全性情報の収集とリスク評価・管理手法について研究を行なうことを目指している。
研究方法
各日本小児科学会分科会の薬事委員会に依頼して、昨年度までの医薬品のプライオリティーリストとの再検討及び既にチェックリストに掲載された医薬品については追加情報の収集、また新たにチェックリストに記載される医薬品についてもできるだけ情報を収集した。一方、新たに適応外医薬品のカテゴリーリストも作成した。
結果と考察
小児を対象とした適応外使用医薬品問題の改善に資することを目指して、日本小児科学会の強いバックアップを得て、その改善策を検討した。今後、適用外医薬品問題の解決に少しずつではあるが、前進する見通しがたったといえるだろう。
結論
日本小児科学会の協力を得て、適用外医薬品問題の解決に向けて、前進しようとしている。しかし、実際には解決に至った医薬品数はまだ僅かである。多くの小児科医は適応外使用であることを承知の上で、また健康保険基金からの払い戻し請求を受けることも覚悟して使用しているのが現状である。問題は二つある。一つは製薬企業の協力とそれを支える対応措置である。例えば、向精神薬のように小児での有用性が専門医によって認められているのも拘わらず、製薬企業はこの問題解決に協力的とは言いがたい。小児を対象としたマーケットの狭さが理由である。もう一つは薬価の問題である。例えば、新生児医療で欠かせないテオフィリン製剤である。日本未熟児新生児学会と製薬企業の協力で、製剤開発、承認までこぎつけたが、薬価が極度に低く抑えられたために発売までこぎ着けずにいる。実際に医薬品として使用されている試薬や医療施設内での合成されている未承認薬の問題については、ほとんど先が見えないのが現状である。
公開日・更新日
公開日
2005-08-09
更新日
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