プリオン検出技術の高度化及び牛海綿状脳症の感染・発症機構に関する研究

文献情報

文献番号
200401150A
報告書区分
総括
研究課題名
プリオン検出技術の高度化及び牛海綿状脳症の感染・発症機構に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所(感染病理部))
研究分担者(所属機関)
  • 古岡 秀文(帯広畜産大学畜産学部)
  • 堀内 基広(北海道大学大学院獣医学研究科)
  • 品川 森一(動物衛生研究所プリオン病研究センター)
  • 石黒 直隆(岐阜大学応用生物科学部)
  • 松田 治男(広島大学生物圏科学研究科)
  • 千葉 丈(東京理科大学基礎工学部)
  • 田村 守(北海道大学電子科学研究所)
  • 堂浦 克美(東北大学医学系研究科創生応用医学センター)
  • 菊池 裕(国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部)
  • 山河 芳夫(国立感染症研究所細胞化学部)
  • 三好 一郎(名古屋市立大学大学院医学研究科)
  • 松田 潤一郎(国立感染症研究所獣医科学部)
  • 小野寺 節(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 高橋 秀宗(国立感染症研究所感染病理部)
  • 扇 勉(北海道畜産試験場畜産工学部)
  • 寺尾 恵治(国立感染症研究所筑波霊長類センター)
  • 佐々木 裕之(埼玉県食肉衛生検査センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
90,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
プリオンの高感度・迅速検査法の開発、牛海綿状脳症に関する感染牛由来材料及び実験動物を用いた感染および発症機構の検討、およびと畜時の食肉汚染防止法の検討を行うことにより、変異型クロイツフェルドヤコブ病の発生対策に資することを目的とする。
研究方法
分担研究者の詳細な研究方法は分担研究者の報告書に譲る。
結果と考察
病理・免疫組織化学の迅速検査法と新規高感度免疫組織化学法を開発した。ウエスタンブロット法の検出感度はELISA法の50倍程度で、神奈川BSE2例目の末梢神経組織のPrPSCは脊髄の1/1,000-1/3,000と考えられた。蛍光相関分光法による自動計測システムの試作が完了した。培養細胞で新たなPrP発現機構の存在が示唆された。BSE千葉例の脳を近交系マウスに接種し継代5代目で潜伏期間が160日まで短縮できた。BSE 6頭目まではマウスの脳内接種後約400-500日で発症し死亡した。ウシプリオン発現Tg#39マウスでは接種後約100日で脾臓に200-300日で脳にプリオンが検出できた。BSEプリオンを牛およびサルの脳内に接種した。ウシのPrP遺伝子多型については日本のBSE牛に特徴はなかった。サイトカインの脳病態形成への関与が示唆された。液化エチレンオキサイド(LEO)処理および高温高圧処理によるPrPSc分子の変化は特定のアミノ酸の修飾、熱処理では加水分解がプリオン不活化に関与していた。プリオンの複製増殖に関与する補助因子として一部の遺伝子を確認した。Doppel蛋白非産生の1型プリオン遺伝子欠損マウスから神経細胞株を樹立した。マウス神経幹細胞とスクレイピープリオンとで共培養しプリオンの増幅が示唆された。GFAPの残留を牛枝肉、ブロック肉、市販牛肉について調べ、洗浄後の牛枝肉、牛ブロック肉からGFAPが検出された。市販牛肉は陰性であった。
結論
わが国のBSE研究のベースができた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-

文献情報

文献番号
200401150B
報告書区分
総合
研究課題名
プリオン検出技術の高度化及び牛海綿状脳症の感染・発症機構に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐多 徹太郎(国立感染症研究所(感染病理部))
研究分担者(所属機関)
  • 堀内 基広(北海道大学大学院獣医学研究科)
  • 品川 森一(動物衛生研究所プリオン病研究センター)
  • 山河 芳夫(国立感染症研究所細胞化学部)
  • 松田 治男(広島大学大学院生物圏科学研究科)
  • 千葉 丈(東京理科大学基礎工学部)
  • 田村 守(北海道大学電子科学研究所)
  • 堂浦 克美(東北大学大学院医学系研究科創生応用医学センター)
  • 菊池 裕(国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部)
  • 松田 潤一郎(国立感染症研究所獣医科学部)
  • 石黒 直隆(岐阜大学応用生物科学部)
  • 古岡 秀文(帯広畜産大学畜産学部)
  • 三好 一郎(名古屋市立大学大学院医学研究科)
  • 小野寺 節(東京大学大学院農学生命科学研究科)
  • 扇 勉(北海道畜産試験場畜産工学部)
  • 寺尾 恵治(国立感染症研究所筑波霊長類センター)
  • 高橋 秀宗(国立感染症研究所感染病理部)
  • 佐々木 裕之(埼玉県食肉衛生検査センター)
  • 森 清一(北海道畜産試験場畜産工学部)
  • 沢谷 広志(神奈川県食肉衛生検査所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)プリオンの高感度・迅速検査法の開発、(2)牛海綿状脳症に関する感染牛由来材料及び実験動物を用いた感染および発症機構の検討、および(3)と畜時の食肉汚染防止法の検討を行うことにより、変異型クロイツフェルドヤコブ病の発生対策に資することを目的とする。
研究方法
分担研究者の詳細な研究方法は分担研究者の報告書に譲る。
結果と考察
BSE確認検査を確立しマニュアル化した。高感度化ウエスタンブロット法で非定型BSE例が診断できた。病理・免疫組織化学の迅速検査法と新規高感度免疫組織化学法を開発した。BSE陽性牛のプリオン沈着部位を明らかにした。ウエスタンブロット法の検出感度はELISA法の50倍程度で、神奈川BSE2例目の末梢神経組織のPrPSCは脊髄の1/1,000-1/3,000と考えられた。蛍光相関分光法による自動計測システムの試作が完了した。BSE千葉例の脳を近交系マウスに接種し継代5代目で潜伏期間が160日まで短縮できた。BSE 6頭目まではマウスの脳内接種後約400-500日で発症し死亡した。ウシプリオン発現Tg#39マウスでは接種後約100日で脾臓に、200-300日で脳にプリオンが検出できた。BSEプリオンを牛およびサルの脳内に接種した。ヒツジやヤギそしてウシのPrP遺伝子多型を調べた。日本のBSE牛では特徴はなかった。液化エチレンオキサイド(LEO)処理および高温高圧処理によるPrPSc分子の変化は特定のアミノ酸の修飾、熱処理では加水分解がプリオン不活化に関与していた。プリオンの複製増殖に関与する補助因子候補となる遺伝子を確認した。ピッシングやスタンニングによる血液への神経組織の混入についてはすべて検出限界以下であった。GFAP残留を牛枝肉、ブロック肉、市販牛肉について再度調べ、洗浄後の牛枝肉、牛ブロック肉からGFAPが検出された。市販牛肉は陰性であった。
結論
わが国のBSE研究のベースができた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-