高齢化社会への対応や生活習慣病の予防を指向した食品素材の安全性・有効性データベース作成

文献情報

文献番号
200401139A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢化社会への対応や生活習慣病の予防を指向した食品素材の安全性・有効性データベース作成
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
梅垣 敬三(独立行政法人国立健康・栄養研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 清水 俊雄(フレスコジャパン)
  • 上野川 修一(日本大学生物資源科学部)
  • 山田 静雄(静岡県立大学薬学部)
  • 山田 浩(浜松医科大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
14,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
健康意識の高まりに伴い、市場には多種多様な健康食品が存在している。現在、科学的根拠があり信頼できる健康食品の情報提供はほとんど行われていない。健康食品が関係する健康被害の発生防止と発生時の迅速な原因究明には、健康食品素材の効果と安全性に関係する情報を収集・解析・整理し、実用的データベースにして適切な媒体を介して提供することが効果的である。本研究では、健康食品素材に関する情報を網羅的に収集し、その情報を精査してより実用的かつ適切なデータベースに加工し、インターネットを介して広く国民に提供することを目的としている。研究は3年計画とし、情報は(独)国立健康・栄養研究所内の「健康食品安全情報ネット」から情報提供する。本年度は、昨年に対応できなかった約144素材について同様のデータベース化を行った。
研究方法
日本で利用の多い素材の中から昨年度の98素材以外の144素材を選択した。素材の有効性と安全性に関する最新情報は海外のデータベース、テキストブック等から入手した。収集した情報は精査してデータベース化した。データベースの内容としては、基本情報、ヒトのデータを中心とした有効性の評価情報(試験管内・動物他での有効性の参考情報を含む)、安全性情報(危険情報、禁忌対象者、医薬品等との相互作用、動物他での毒性試験)とした。
結果と考察
ビタミン、ミネラルに関しては、有効性・安全性に関する多くのエビデンスがあったが、動植物の素材については、信頼できるエビデンスはあまりなかった。植物系素材の中で、同様の名称でも利用されている植物が厳密には西洋と東洋で異なるものも存在していた。また日常の食生活で既に利用している素材であっても、医療として大量摂取したとき、妊婦や小児に対しては安全性に問題があるという情報もあった。さらにアレルギーを起こす素材の情報も存在していた。
結論
健康食品等に利用されている144素材の有効性・安全性に関する科学的根拠のある情報を収集・解析してデータベース化した。このデータベースを一般に公開することにより、市販されている健康食品の有効性の科学的根拠が乏しいこと、医薬品との相互作用を含めた安全性に配慮する事項があることを広く国民に提供することができ、健康食品が関連した昨今の問題の改善に寄与することが期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-