バイオテクノロジー応用食品の安全性確保に関する研究

文献情報

文献番号
200401138A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオテクノロジー応用食品の安全性確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
長尾 拓(国立医薬品食品衛生研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 米谷民雄(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 小関良宏(東京農工大学)
  • 手島玲子(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 菅野純(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
60,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、バイオテクノロジーを応用した食品の安全性確保のための科学的知見の蓄積、当該食品の検知法の確立及びリスクコミュニケーション等に関する調査研究を行い、遺伝子組換え食品の安全性のより一層の確保を目的とする。
研究方法
遺伝子組換え植物の遺伝的安定性では、遺伝子組換え作物の後代交配種におけるポストゲノム解析することを目的として、大豆のプロテオーム、トランスクリプトープ、メタボローム解析基盤の整備を開始した。組換え食品の検知法に関する研究では、ハイブリッド品種の混入率を明らかにするため、1粒毎の試料調整法、品種の同定法について検討を行った。さらに、定量分析法の大豆モデル加工食品への適用可能性について検討を行った。アレルギー性に関する安全性評価手法の開発では、エピトープ情報を加味し、検索機能も持つ新規統合型アレルゲンデータベース(ADFS)を開発した。また、マウス経口感作による食物アレルギー動物モデルの開発を行った。ラットへの遺伝子組換えとうもろこしの混餌投与による慢性毒性試験では、2年の期間の投与が終了し、体重と摂餌量の集計、血液化学検査等を行った。また、遺伝子組換え食品の動向調査として、リスクコミュニケーション、組換え微生物、遺伝子組換え魚、GM薬用植物等に関して、現状の把握を行った。
結果と考察
遺伝子組換え植物の遺伝的安定性では、特にFT-ICRMSを用いた大豆のメタボローム解析において、プロファイルの比較解析への応用が期待された。遺伝子組換え食品の検知に関する試験法の確立では、とうもろこしハイブリッド品種についての定性検知法の開発を行い、モニタリング調査を実施した。アレルギー性に関する研究では、新規アレルゲンデータベースの衛研ホームページ上への立ち上げを行った。ラットへの2年の慢性毒性試験では、これまでに、遺伝子組換えとうもろこしを摂取したためと考えられる毒性学的に意義のある異常所見は観察されていない。遺伝子組換え食品の動向調査では、リスクコミュニケーションに関して、わかりやすい情報提供を行うための具体的な提案を行った。
結論
バイオテクノロジー応用食品については、安全性に関する研究を中心に、当該食品の検知に関する試験法の確立及びリスクコミュニケーション等に関する動向調査を持続するとともに、透明性を確保しつつ、より一層の安全確保、消費者の不安解消に努める必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2005-06-16
更新日
-