細菌性食中毒の予防に関する研究

文献情報

文献番号
200401130A
報告書区分
総括
研究課題名
細菌性食中毒の予防に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高鳥 浩介(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
研究分担者(所属機関)
  • 工藤由起子(国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部)
  • 山本茂貴(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
  • 五十君静信(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の食生活は海外とは大きく異なるため、日本独自の微生物学的リスクアセスメントモデルを策定してリスク管理措置を検討し食中毒発生防止を図る必要がある。
研究方法
国内の食中毒発症菌量に関するデータの収集を行った。生食用の食肉における腸管出血性大腸菌について優れた検出方法を検討した。乾燥野菜・香辛料におけるサルモネラ汚染を検討した。生食用鮮魚介類におけるビブリオについて環境および魚介類におけるビブリオ・バルニフィカスの検出法を検討した。無調理摂取食品のリステリアについて臨床由来および食品由来リステリア菌株の収集と疫学的・細菌学的な解析、リステリアの疫学マーカーの検索を行った。鶏肉のカンピロバクターについてリスクプロファイル作成を試みた。また鶏肉を汚染したカンピロバクターの病原性とcoccoid化の関連について検討した。
結果と考察
食中毒事例における原因食品中の食中毒菌菌数が6件から得られた。O157以外の血清型の腸管出血性大腸菌の迅速検出方法を牛枝肉ふき取り検体などで検討した。サルモネラは乾燥野菜・香辛料等254検体中2検体から検出された。ビブリオ・バルニフィカスの魚介類からの検出方法を検討した。水鳥の保菌状況を雑食性渡鳥に注目し調べた。カンピロバクターのリスクアセスメン トに必要な定量的データが不足していた。Preston培地が冷蔵・冷凍菌の増菌に有効であった。球形化した菌のDNA, rRNAおよ びタンパク質が減少・消失した。ヒト・リステリア症および食肉汚染分離株のゲノム構造特性から地域常在汚染や汚染食肉の関与が示された。強毒株の指標マーカーを検索した。スモークサーモンなどついてリスクアセスメントの基礎データを収集した。
結論
食中毒事例における原因食品中の食中毒菌菌数が6件から得られた。血清型O157以外の血清型の腸管出血性大腸菌を迅速検出方法を、牛枝肉のふき取り検体などを用いて検討を行った。サルモネラは国内外の乾燥野菜・香辛料等254検体中2検体から検出された。ビブリオ・バルニフィカスの魚介類からの検出方法について検討し有用な方法を見いだした。ヒト・リステリア症および食肉汚染分離株のゲノム構造の特性による分子疫学的解析から地域常在汚染や汚染食肉の関与が示された。カンピロバクターのリスクアセスメントに必要な定量的データが不足していた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-27
更新日
-