国際的動向を踏まえた食品添加物の規格の向上に関する調査研究

文献情報

文献番号
200401127A
報告書区分
総括
研究課題名
国際的動向を踏まえた食品添加物の規格の向上に関する調査研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
四方田 千佳子(国立医薬品食品衛生研究所(食品添加物部))
研究分担者(所属機関)
  • 佐藤 恭子(国立医薬品食品衛生研究所(食品添加物部))
  • 斎藤 寛(岡山大学薬学部)
  • 扇間 昌規(武庫川女子大学薬学部)
  • 杉本 直樹(国立医薬品食品衛生研究所(食品添加物部))
  • 久保田 浩樹(国立医薬品食品衛生研究所(食品添加物部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
食の国際化に伴い、国際的に広く使用されている食品添加物については国主導で指定することとなり、品目の国際整合の動きが始まっている。一方、食品添加物の規格規準でも、新規指定に際しては、国際規格を反映したものとする方向が強く支持されているが、本研究では、さらに既収載品目の規格やその試験法の国際整合を目指した調査研究を推進する。
研究方法
食品添加物の生産量統計調査を継続し、平成13年度の生産量調査を基に、一日平均摂取量を推定した。香料では、我が国で使用されている香料の品質規格の自主的整備のため、諸外国の規格を比較検討した。日欧米三極での香料の使用量調査の準備として、我が国で使用実態のある2,926化合物につき、完成度の高いデータベースの構築をめざした。残留溶媒試験では、諸外国における規制及び分析法の調査研究を行った。赤外吸収スペクトルでは、国際整合の観点から確認試験法としての適用拡大に努めた。NMRでは、規格への適用の可能性を検討した。使用基準設定のための基礎研究として、食品添加物の食品中での消長、変化を追跡する研究を開始した。
結果と考察
生産量統計調査より、指定添加物の一日平均摂取量は5.981mg/man/dayとなり前回調査結果の4.3%増となった。既存添加物については、流通量実態調査に留めた。香料の自主規格では、必要な項目を香料化合物毎に設定し、FCCのような一覧表方式で作成することが望ましいと結論した。香料データベースの整備により、国内で使用実績のある香料ついて、国際情報も簡単に比較検討できるようになった。残留溶媒試験では、食品添加物公定書の製造基準も見直しが必要な時期にきていると結論した。赤外参照スペクトルの諸外国との比較検討により、公的規格におけるスペクトルの取り違え、測定標品選定の曖昧さ等が明らかとなり、慎重な対応が必要と考えられた。香料異性体の同定、定量へ、LC-NMR法の適用を試み、有効な手段であることが示された。ソルビン酸は、食品中でのシステインとの相互作用が示唆され、次亜塩素酸ナトリウムでは、カット野菜処理時にクエン酸が共存するとクロロホルム生成量が有意に増加することが示された。
結論
以上の研究成果は、直接的に第9版食品添加物公定書の国際整合に向けた規格整備に役立つとともに、我が国の食品添加物行政の基盤として有効であり、食品の安全確保に資するものである。

公開日・更新日

公開日
2005-06-17
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-