農薬等の一律基準と加工食品基準及び急性暴露評価に関する研究

文献情報

文献番号
200401126A
報告書区分
総括
研究課題名
農薬等の一律基準と加工食品基準及び急性暴露評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
米谷 民雄(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
研究分担者(所属機関)
  • 白石 寛明((独)国立環境研究所)
  • 佐々木 久美子(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
  • 根本 了(国立医薬品食品衛生研究所(食品部))
  • 伊藤 裕子(愛知県衛生研究所)
  • 菅野 純(国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター)
  • 吉池 信男((独)国立健康・栄養研究所)
  • 小林 秀誉((独)食品総合研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
農薬等のポジティブリスト制における一律基準の設定にあたっては、農薬等の毒性に関するエンドポイントや分析法における定量限界を考慮する必要があるため、それらについて調査した。また、今回のポジティブリスト制では、加工食品も対象であるため、分析法の検討を行った。さらに、残留農薬の暴露評価を行うにあたり、急性毒性評価手法の確立が課題となっているため、それについて検討を行った。
研究方法
①信頼性のある毒性評価結果及び農作物中の残留濃度調査結果を基に、対象化学物質のリスク評価を行い、また、②分析法の定量限界に関する情報を収集した。加工食品中、③GC/MS及び④LC/MS/MSによる分析法を検討した。さらに残留農薬の急性毒性評価手法の確立のために、⑤残留農薬等の急性参照用量(Acute RfD)に関連する情報の収集、⑥国民健康・栄養調査の食物摂取量の基データを用いた新たな基準値の算出、⑦特定の農薬・農作物についての作物残留試験から、残留平均値、標準偏差等の算出を行った。
結果と考察
①ポジティブリスト制対象農薬等を中心にADIを収集し、食品分類ごとの摂取量と農薬等の残留基準値及び一律基準から対象物質のTMDIを求めて一律基準値の寄与度を評価し、また残留農薬の実測値からEDIを試算した。②定量限界に関する情報を収集し、通常の試験検査では、農薬/食品の全てに一律0.01 mg/kgの定量下限を達成することは困難であるとの結論を得た。③加工食品に暫定基準値が設定される予定の農薬についてGC/MSによる一斉分析法を確立し、それを基に植物油の残留農薬分析法を開発し、④Dual CCCを用いた試料調製法とLC/MS/MSを組み合わせ、9種のカーバメート系農薬の分析法を開発した。一方、急性毒性評価手法では、⑤JMPRにおけるAcute RfD設定のためのガイダンス及びコリンエステラーゼ阻害の解釈についての情報を収集した。また、⑥平成13、14年の国民健康・栄養調査の食物摂取量の基データを用いて、基準値の算出を行った。⑦農薬としてエンドスルファンを、農作物としてキュウリとトマトを選び、農薬が残留するような使用法で作物残留試験を実施し、残留の平均値、標準偏差、変動率を求めた。
結論
分析法の観点からは、すべての農薬/食品で一律に0.01 mg/kgの定量下限を達成することは困難であると結論された。急性毒性評価手法では、作物残留と食品摂取量から暴露量を推定し、Acute RfDと比較する等の研究を、次年度以降実施する予定である。

公開日・更新日

公開日
2005-08-29
更新日
-