文献情報
文献番号
200401120A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の有効性の評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
上野川 修一(日本大学生物資源科学部)
研究分担者(所属機関)
- 河野 陽一(千葉大学大学院 医学研究科)
- 戸塚 護(東京大学大学院 農学生命科学研究科)
- 池上 幸江(大妻女子大学 家政学部)
- 志村 二三夫(十文字学園女子大学 人間科学部)
- 篠塚 和正(武庫川女子大学 薬学部)
- 花田 信弘(国立保健医療科学院)
- 今井 奨(国立保健医療科学院)
- 高橋 信博(東北大学大学院 歯学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
いわゆる健康食品はその保健効果に関する国民の関心は高いが、その科学的根拠には不確かなものがあることや、厳正な有効性の評価方法が存在しないなどの問題点がある。そこで、本研究は医薬品とは違った意味で食の保健効果を科学的、厳正に評価する独自の方法を確立すべく、特に免疫調節・アレルギー予防機能、生活習慣病予防機能、口腔内の疾病予防機能に対して有効性の高い健康食品を正しく評価し、その成果を国民の健康維持・増進に役立てることを目的とした。
研究方法
①食品の持つ免疫調節機能、アレルギー予防機能の評価方法確立
②食品のもつ生活習慣病(主にがん、循環器疾患、精神疾患)予防効果の評価方法確立
③食品の口腔における有効性評価方法確立
上記の3項目について、さまざまな食品のもつそれぞれの上記機能性評価を行う各実験系を構築して基礎的データを得るとともに、その科学的データをもとに臨床試験に応用できるようなセットアップ(情報収集とモデル実験系による検討)を行った。
②食品のもつ生活習慣病(主にがん、循環器疾患、精神疾患)予防効果の評価方法確立
③食品の口腔における有効性評価方法確立
上記の3項目について、さまざまな食品のもつそれぞれの上記機能性評価を行う各実験系を構築して基礎的データを得るとともに、その科学的データをもとに臨床試験に応用できるようなセットアップ(情報収集とモデル実験系による検討)を行った。
結果と考察
食品の免疫系有効性評価方法の設定には、適応免疫系、自然免疫系の評価項目を厳正な試験によって行う必要がある。ヒト新生児のアレルギー追跡調査と臍帯血単核球からのサイトカイン産生能解析、マウス腸管免疫系の細胞応答についてのタンパクや遺伝子発現の解析等の総合的な評価を目指している。食品の生活習慣病予防効果の評価方法については、動物実験レベルの評価方法と併せて臨床への応用についてさらなるデータの蓄積が必要となる。食品の口腔における有効性評価方法については、口腔内再石灰可能・口臭・pH・う蝕細菌数などの簡便な評価システムが有効な評価方法として利用可能性が高いことが示唆された。
結論
いわゆる健康食品の保健効果を科学的、厳正に評価する独自の方法を確立するために、食品の免疫調節・アレルギー予防機能の評価方法については、抗感染食品または抗アレルギー食品としての評価方法を設定し、ヒト臨床試験と併せて動物実験、in vitro試験による総合的な評価方法の確立を目指している。食品のもつ生活習慣病予防効果の評価方法については、動物実験およびin vitro試験による薬理学的・栄養学的な評価方法を設定し、データの蓄積を進めている。食品の口腔における有効性評価方法については、う触予防をふまえた評価方法を設定し、簡便な評価方法として有効性の高いものが明らかとなってきている。いずれもさらなるデータの蓄積により、信憑性の高い評価方法として確立しなければならない。
公開日・更新日
公開日
2005-06-21
更新日
-