文献情報
文献番号
200401119A
報告書区分
総括
研究課題名
いわゆる健康食品の健康影響と健康被害に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
斎藤 衛郎(独立行政法人国立健康・栄養研究所(食品機能研究部))
研究分担者(所属機関)
- 各務 伸一(愛知医科大学医学部)
- 山田 静雄(静岡県立大学薬学部)
- 白井 厚冶(東邦大学附属佐倉病院)
- 中村 治雄(財団法人三越厚生事業団)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 食品の安全性高度化推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
22,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
いわゆる健康食品の健康影響と健康被害に関する検討を目的とした。
研究方法
①いわゆる健康食品によるとされる肝障害事例について一次アンケート調査を日本肝臓学会評議員718名に行い、回答を得た施設に二次調査実施。
②健常成人男性対象にトルブタミド(Tolb)とミダゾラム(Mid)を単回経口投与後、両薬物と代謝物の血漿中濃度測定。その後28日間銀杏葉エキス(GBE)を連日投与し、同様に濃度測定。
③ビグアナイド剤服用患者に、中鎖中性脂肪を短・長期間摂取させた。
④総コレステロール(CHO)値220mg/dL以上の男女に大豆蛋白を3ヶ月間摂取、中間1ヶ月間にヘルシア併用。
⑤ⅰシトラスアウランチウム(CA)粉末混合高脂肪食で成熟ラットを79日間飼育。ⅱ高脂肪食を成熟ラットに30日間与え更にCA粉末水溶液をゾンデで毎日単回投与。
⑥幼若と成熟雄ラットにガルシニアを28日間投与。性周期を合わせた7週齢雌ラットにガルシニアを2週間と4週間投与。
②健常成人男性対象にトルブタミド(Tolb)とミダゾラム(Mid)を単回経口投与後、両薬物と代謝物の血漿中濃度測定。その後28日間銀杏葉エキス(GBE)を連日投与し、同様に濃度測定。
③ビグアナイド剤服用患者に、中鎖中性脂肪を短・長期間摂取させた。
④総コレステロール(CHO)値220mg/dL以上の男女に大豆蛋白を3ヶ月間摂取、中間1ヶ月間にヘルシア併用。
⑤ⅰシトラスアウランチウム(CA)粉末混合高脂肪食で成熟ラットを79日間飼育。ⅱ高脂肪食を成熟ラットに30日間与え更にCA粉末水溶液をゾンデで毎日単回投与。
⑥幼若と成熟雄ラットにガルシニアを28日間投与。性周期を合わせた7週齢雌ラットにガルシニアを2週間と4週間投与。
結果と考察
①一次調査95例、二次調査34例の原因が健康食品と疑われ、ウコンの含まれる食品が最多。製品毎の検討も必要になるだろう。
②28日間連日投与でTolbの血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)はGBE投与後有意に減少、血糖低下作用も減弱傾向、MidのAUCは有意に高値。GBE連日投与は薬物の作用に影響を与える可能性示唆。
③中鎖中性脂肪摂取で血清中性脂肪減少、HDL-CHO上昇、HOMA-R低下、長期検討でヘパリン静注前リポ蛋白リパーゼ上昇。長期摂取でインスリン抵抗性改善の可能性有。
④血清CHO、LDL-CHO、TGは大豆蛋白で有意に減少、ヘルシア併用で低値維持、MDA-LDLも減少、ヘルシア併用でも減少、アディポネクチンは増加傾向、併用で有意増加。
⑤ⅰCA大量摂取で血漿アドレナリン上昇、腎周囲脂肪組織重量減少だが心毒性の危惧。ⅱCA大量摂取で尿中アドレナリン増加だが、血漿カテコールアミン、体重、脂肪無変化、心毒性も認めず。
⑥成熟雄ラットで精巣重量、関連ホルモンに差なし、組織学的検査で7匹中2匹に精細胞変性、精巣FF-MAS、T-MASはガルシニア摂取で有意低下。雌では卵巣の異常なし、卵巣FF-MAS、T-MAS量も変化なし。
②28日間連日投与でTolbの血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)はGBE投与後有意に減少、血糖低下作用も減弱傾向、MidのAUCは有意に高値。GBE連日投与は薬物の作用に影響を与える可能性示唆。
③中鎖中性脂肪摂取で血清中性脂肪減少、HDL-CHO上昇、HOMA-R低下、長期検討でヘパリン静注前リポ蛋白リパーゼ上昇。長期摂取でインスリン抵抗性改善の可能性有。
④血清CHO、LDL-CHO、TGは大豆蛋白で有意に減少、ヘルシア併用で低値維持、MDA-LDLも減少、ヘルシア併用でも減少、アディポネクチンは増加傾向、併用で有意増加。
⑤ⅰCA大量摂取で血漿アドレナリン上昇、腎周囲脂肪組織重量減少だが心毒性の危惧。ⅱCA大量摂取で尿中アドレナリン増加だが、血漿カテコールアミン、体重、脂肪無変化、心毒性も認めず。
⑥成熟雄ラットで精巣重量、関連ホルモンに差なし、組織学的検査で7匹中2匹に精細胞変性、精巣FF-MAS、T-MASはガルシニア摂取で有意低下。雌では卵巣の異常なし、卵巣FF-MAS、T-MAS量も変化なし。
結論
いわゆる健康食品でも健康被害が発生する場合がある、医薬品との併用には注意が必要である、等の認識が必要。
公開日・更新日
公開日
2005-06-21
更新日
-