高気圧作業に伴う基準減圧表の安全性評価のための疫学的調査研究

文献情報

文献番号
200401116A
報告書区分
総括
研究課題名
高気圧作業に伴う基準減圧表の安全性評価のための疫学的調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
眞野 喜洋(東京医科歯科大学大学院(健康教育学分野))
研究分担者(所属機関)
  • 山見 信夫(東京医科歯科大学大学院(健康教育学))
  • 芝山 正治(駒沢女子大学人文学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,620,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 我が国の標準減圧表は昭和36年に制定されて以来、全く改定されず今日でも利用するように指導されている。この減圧表が制定されてから既に40年以上経過し、今日の国際的な評価を受けている減圧理論は大幅な変遷を経て、より安全な高気圧作業従事者の健康に留意された、減圧表に改定されているばかりか、使用されている呼吸ガスも空気だけでなく、圧力増大に見合うヘリウム等の不活性ガスの利用や減圧中の酸素吸入による窒素ガス等の洗い出しなどの新技法が取り入れられている。このようなギャップが拡大する一方であることを考えると我が国の高気圧業務の安全管理対策上、現行の標準減圧表がどのような問題を抱えているかを明らかにすることが重要となってくる。そして減圧表の改定の必要性が論じられる場合が生じたならば、その改定すべきポイントにはどのような点が挙げられるべきかを予測することが本研究の目的である。
研究方法
方法 1: 我が国の標準減圧表別表第 1 ならびに第 2 について諸外国の代表的な減圧表と比較して、その安全性の検討を行う。
 方法 2: 圧気作業および潜水作業場における疫学的調査を行い、減圧症発症率を求めると共に実作業をダイビング・コンピューターを用いて追跡記録し、圧力暴露とその後の減圧プロフィールの生データを収集する。
 方法 3:文献検索によって資料の充足を行う。
結果と考察
 気泡計測法による我が国の標準減圧表を評価したが、英国のブラックプール表が最も気泡をつくらず、次いで米国のワシントン表であった。我が国の減圧表は最も多く気泡をつくるばかりか同一圧力下における作業時間の増大に比例して形成される気泡数の割合、つまり増加勾配が最も急峻であった。
結論
 我が国の標準減圧表は英国の減圧表と比較して気泡形成が最も多いことを意味している。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-