労働安全衛生マネジメントシステムでの労働衛生上のリスク対策に必要なアセスメントツール等の開発

文献情報

文献番号
200401113A
報告書区分
総括
研究課題名
労働安全衛生マネジメントシステムでの労働衛生上のリスク対策に必要なアセスメントツール等の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
森 晃爾(産業医科大学産業医実務研修センター)
研究分担者(所属機関)
  • 武林亨(慶應義塾大学医学部)
  • 堀江正知(産業医科大学産業生態科学研究所)
  • 谷口初美(産業医科大学医学部)
  • 宋裕姫(産業医科大学産業医実務研修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)について、安全と健康のバランスのとれたシステム構築に必要な健康リスクマネジメントの手法開発及びOSHMS文書の開発を目的とし、平成16年度はOSHMSにおける産業保健の位置づけに関する実態を把握と健康障害要因に対する既存のリスクアセスメント手法の整理を行うこととした。
研究方法
1. 先駆的導入事業場から5事業場にインタビュー調査を実施した。その結果を基に作成した2種類のアンケート用紙を用いて、東証一部上場企業の調査とOHSAS18001またはJISHAの規格の認証を取得しているわが国の全事業場に対する通信調査を行った。2.化学的健康障害要因、物理的健康障害要因、生物的健康障害要因、心理社会的健康障害要因について、既存のリスクアセスメント手法について整理を行った。
結果と考察
1.導入事業場では産業保健活動の改善に一定の効果を上げていることが確認された。OSHMS導入やリスクに基づいた産業保健活動は産業医の専門性と関連が深く、今後リスクに基づいた産業保健活動の充実には、OSHMSに産業保健要素を取り込むことの重要性の啓発と、OSHMSで役割を担う産業医の育成が必要であることが考えられた。2.健康障害要因ごとに、リスクアセスメント手法の存在状況と課題は異なっていた。化学的要因については既存の手法の長所・短所の比較、物理的要因については、法令等に存在するリスクマネジメント手法の状況の整理、生物的要因について、事業場で実行可能なリスクアセスメント手法の開発を行った。また心理社会的要因として、メンタルヘルスのリスクアセスメントの実態を調査し、それぞれの事業場にあったリスクアセスメントの選択と活用の手法について提言を行った。
結論
健康リスク対策をOSHMSの一部として実施することによる有効性は高いと考えられるが、様々な要因によって安全に比べて健康リスク対策が不十分なOSHMSが導入されている実態が明らかになった。この問題を解決するためには、産業保健専門職の専門性の向上と健康リスクに対するリスクマネジメント手法のツール開発が必要と思われた。各健康障害要因の既存のリスクアセスメント手法を整理したところ、要因ごとに異なる課題が見出されたため、次年度以降、事業場で活用可能なツールとしてさらに整理および開発を進めていく必要性が見出された。

公開日・更新日

公開日
2006-05-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)