職場における腰痛防止の為の作業姿勢負担評価チェックリストの開発

文献情報

文献番号
200401109A
報告書区分
総括
研究課題名
職場における腰痛防止の為の作業姿勢負担評価チェックリストの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
神代 雅晴(産業医学大学産業生態科学研究所人間工学研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 戸上 英憲(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 橋本 正浩(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 佐藤 教昭(産業医科大学産業医学研究支援施設生体情報研究センター)
  • 泉 博之(産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室)
  • 舟橋 敦(マツダ健康推進センター)
  • 金 一成(トヨタ記念病院メディカルサポート部トヨタ自動車高岡工場)
  • 赤津 順一((株)日立製作所日立健康管理センタ)
  • 藤井 敦成(富士重工業株式会社群馬製作所大泉工場診療所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
6,139,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、正常な腰部にかかる慢性的な異常ストレス(たとえば、不良作業姿勢)に起因する腰痛発生リスクの低減を目的とした作業姿勢負担評価チェックリストの開発を目的としている。
研究方法
(1) 文献調査研究を実施して(1987年?2004年)、作業姿勢記述・解析・評価手法、質問紙調査法、背腰部痛の発症に影響を及ぼす要因等々について現在までに明らかにされている事実を整理した。
(2) 上記文献研究成果から、姿勢観察技法としてOWAS法を採用して、市販のPDA (Palm)を利用した簡便なOWAS姿勢評価ツールを開発した。
(3) 姿勢そのものが腰部に与える影響をバイオメカニクス手法により定量的に腰部負担評価した。
(4) 腰痛の発生状況 / 潜在要因およびその程度を評価するための質問紙調査票を開発して、それを自動車産業、電気機械器具製造業の計4社に配布した。
結果と考察
本研究は2年間研究の初年度に位置し、最終成果に向けての基礎データ収集期に相当する為、結論としての成果は乏しい。しかし、次の二点は現段階においても実用可能な成果と考えられる。
1. 姿勢評価を効率的に行うためのツールとして、市販のPDA (Palm)を利用したOWAS姿勢評価ツールを開発した。本器の利点は、サンプリング間隔の短縮による姿勢評価の時間分解能の向上、観察負荷の低減による評価信頼性の向上である。
腰痛に関する調査票を独自に開発した。本調査票の最大の特徴は、基本姿勢が絵で表示され、かつ、身体部位が上肢、下肢、体幹に分類されている。また、姿勢・荷重・保持時間から単位作業ごとの姿勢負荷曝露量が推定できる。本調査票は最終成果に到達するための情報収集調査票であったが、職場の腰痛発生に関与する危険因子を探り出す為の調査票として現場で簡単且つ容易に使えることが示唆された完成度の高いものである。
2. 一方、椎間板圧縮力の視点から慢性的な不良作業姿勢から引き起こされる腰痛発生リスクの推定を可能とする研究成果が示唆された。
結論
本チェックリストに求められる、作業姿勢ごとのが定量的な姿勢負荷評価、ならびに、一単位あたりの作業に占める総姿勢負荷量から誘発される筋骨格系障害発生リスクを事前推定・評価に資する基礎資料を得ることが出来た。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-