文献情報
文献番号
200401103A
報告書区分
総括
研究課題名
今後の産業保健のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
東 敏昭(産業医科大学産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
- 平田 衛(独立行政法人 産業医学総合研究所)
- 浜 民夫(長崎大学 環境科学部)
- 小泉 昭夫(京都大学 健康要因学講座 環境衛生学分野)
- 山田 誠二(松下産業衛生科学センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,618,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成14年度、15年度に実施した産業保健業務の範囲、産業保健サービス提供の実態と課題、国際的な状況の把握研究を基礎として、業態、就業形態の変化に対応した産業保健活動のあり方について整理する。調査の結果から作成した資料に基づき、広く議論を行い、具体的に適切な産業保健サービスのあり方を提案することを目的とする。
研究方法
提示された?@産業保健サービスの範囲、?A具体的な産業保健サービスの提供方法、?B各国の産業保健サービスの状況についての検討結果を、各研究班および外部の識者を交えて総合的に議論する場をもうけ、具体的な問題点、優先課題、改善のためにとるべき行動や、整備すべきシステム、マニュアル、必要な施策についてまとめた。
結果と考察
現状から、最も必要な改善事項は(1)自主的な産業保健活動を推進するための仕組み、(2)企業規模などによる産業保健サービス受益の格差の是正、(3)専門性をもった人材育成と設定された。結論として、現行の制度をより進展させる部分と基本的に検討が必要な部分の双方があるが、(1)産業保健業務を健康増進およびリスクマネジメントを含めたものへ再整理、(2)企業規模によるサービスを享受できる状況の格差が生じていることに対し働く人一人当たりのサービス時間(平均20分程度)による規定によるインフラの再構築、(3)自主的管理の推進と独立性の高い専門家の関与による就業形態の多様化に応じた提供方法の弾力性の許容、(4)サービス提供機関(企業外労働衛生機関など)の量的および機能的充実、(5)高次専門家の育成コースの充実などが必要と考えられる。
結論
研究成果に基づき、1.産業医の職務について(10カテゴリーに整理)、2.産業保健サービス・産業医サービスの提供方法(一人当たりの基準時間と内容)、3.産業保健サービス・産業医サービスの提供者(企業外労働衛生機関、コンサルタントファーム、地域ネット)、4.新規報告制度の導入(自主的労働衛生管理の推進とこれに必要な仕組み、ガイドライン)、5.新規制度導入に対する事業場へのメリット制度の導入(自主的管理推進のための動機、メリットの付与方法と根拠)、6.国際的整合性の確保(高次専門家の育成を含めた制度、教育・研修、仕組み、マニュアルの整備)について提言をまとめた。
公開日・更新日
公開日
2006-05-12
更新日
-