文献情報
文献番号
200401097A
報告書区分
総括
研究課題名
負荷履歴の影響を考慮した経年圧力設備の高信頼度弾塑性破壊評価手法の開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐々木 哲也(独立行政法人産業安全研究所(機械システム安全研究グループ))
研究分担者(所属機関)
- 本田 尚(独立行政法人産業安全研究所(機械システム安全研究グループ))
- 松原 雅昭(群馬大学 工学部 機械システム工学科)
- 伊澤 悟(小山工業高等専門学校 機械工学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
我が国では各種産業プラントにおける圧力設備の経年化が急速に進んでいるが、経済の低成長化のために更新は困難であり、既存設備の寿命延伸に対する要求が強くなっている。しかし、従来の弾塑性破壊評価では負荷履歴等の影響は考慮されていないため、長期間運転した圧力容器や配管の破壊評価に適用した場合には非安全側の評価となっている可能性がある。そこで本研究では、弾塑性破壊挙動に及ぼす負荷履歴の影響を明らかにし、信頼性の高い弾塑性破壊評価手法を開発する。
研究方法
産業安全研究所では、汎用有限要素解析コードによって信頼性評価を可能にする手法を開発するとともに、赤外線計測によるき裂検出に外部加熱を利用した方法の適用を試みる。群馬大学・小山工業高等専門学校では、引き続き軸力・曲げ同時負荷制御試験機を用いた実験と理論的検討により、切欠き付き配管に対して負荷履歴が弾塑性破壊挙動に及ぼす影響を明らかにする。
結果と考察
産業安全研究所では、汎用有限要素解析コードによって信頼性評価を可能にする手法として、有限要素解析コードを外部プログラムとして取り扱う手法を提案した。また、赤外線計測によるき裂検出に外部加熱を利用する手法として、キセノンフラッシュランプを利用した外部加熱システムを構築し、ボルト継手に発生する疲労き裂の検出を試みた。
一方、群馬大学・小山工業高等専門学校では、減肉と貫通き裂が重畳した軸力と曲げを受ける配管について塑性崩壊荷重を理論的、実験的に検討し、曲げモーメント主体による塑性崩壊荷重ついては周方向欠陥主体の場合と減肉欠陥主体の場合で差違が生じることを明らかにした。また、切欠き付オーステナイトステンレス鋼の塑性崩壊荷重を軸力-曲げ複合荷重下で評価した結果、延性材料の疲労き裂発生と進展を評価するパラメータとしてCTOAが有効であることが示された。
一方、群馬大学・小山工業高等専門学校では、減肉と貫通き裂が重畳した軸力と曲げを受ける配管について塑性崩壊荷重を理論的、実験的に検討し、曲げモーメント主体による塑性崩壊荷重ついては周方向欠陥主体の場合と減肉欠陥主体の場合で差違が生じることを明らかにした。また、切欠き付オーステナイトステンレス鋼の塑性崩壊荷重を軸力-曲げ複合荷重下で評価した結果、延性材料の疲労き裂発生と進展を評価するパラメータとしてCTOAが有効であることが示された。
結論
(1) 構造信頼性評価に既存の汎用有限要素解析コードを利用可能にする手法を提案した。
(2) 外部熱源としてキセノンフラッシュランプを利用した赤外線非破壊評価手法を開発し、疲労き裂の検出を試みた。
(3) 減肉と貫通き裂が重畳した軸力と曲げを受ける配管について、塑性崩壊荷重を理論的に検討するとともに、実験的に検証した。
(4) 延性材料の疲労き裂発生と進展を評価するパラメータとしてCTOAが有効であることを明らかにした。
(2) 外部熱源としてキセノンフラッシュランプを利用した赤外線非破壊評価手法を開発し、疲労き裂の検出を試みた。
(3) 減肉と貫通き裂が重畳した軸力と曲げを受ける配管について、塑性崩壊荷重を理論的に検討するとともに、実験的に検証した。
(4) 延性材料の疲労き裂発生と進展を評価するパラメータとしてCTOAが有効であることを明らかにした。
公開日・更新日
公開日
2006-05-12
更新日
-