文献情報
文献番号
200401096A
報告書区分
総括
研究課題名
職域における健康診断と精度管理のあり方に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 治彦(中央労働災害防止協会 労働衛生調査分析センター)
研究分担者(所属機関)
- 徳永 力雄(関西医科大学)
- 栗原 伸公(神戸女子大学)
- 曽根 脩輔(長野県厚生農業協同組合連合会 安曇総合病院)
- 吉田 勝美(聖マリアンナ医科大学)
- 久代 登志男(日本大学医学部付属駿河台病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
9,319,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
職域健康診断に係る精度管理の現状を調べ問題点と今後の改善の方向を明らかにすること、個人の時系列データを利用して健康診断の意義を高めること、従来利用されることの少なかった問診情報を取り入れてスクリーニングの効率を高めることなどを目的とした。
研究方法
現状と問題点については職域健康診断の大部分を実施している健康診断機関に対して全国労働衛生団体連合会が毎年行ってきた外部精度管理事業の成績を分析評価した。個人の時系列データの利用に関する研究では事業場従業員について長期間にわたり継続的に行われた健康診断結果データベースを解析した。問診情報を取り入れてスクリーニングの効率を高める方法を検討した研究では、健診機関のデータベースを解析した。
結果と考察
全国労働衛生団体連合会(全衛連)臨床検査精度管理調査によると比例系統誤差の頻度が高かった。年1、2回のトレーサビリティの確認と校正を行うべきと考えられた。大規模検査機関の大半はほぼ適正な人的資源を有し臨床検査の精度の水準も高かった。労働衛生検査項目については、内容と評点を簡略化した外部精度評価を追加することを提案した。CT装置による肺がん検診については存在診断については学習効果が得られやすかったが、低X線曝射CT像による質的診断は困難であることがわかった。一般定期健診については健診データの経年的評価モデルにより、データの動態が的確に把握できるため、異常性の予見が可能となることがわかった。循環器疾患スクリーニングを目的とした問診票を用いた問診結果と冠動脈造影検査結果とを照合することにより職域健診受診者のリスク層別化と高リスク受診者の抽出が効率的に行える可能性が示唆された。
結論
臨床検査精度管理の問題として比例系統誤差の頻度が高くトレーサビリティの確認と校正を行うべきことなどいくつかの問題が指摘された。簡略化した外部精度評価の追加が提案された。CT装置によるがん検診では存在診断について学習効果が得られやすく質的診断は困難であった。一般景気健診データの経年的評価モデルによりデータの動態が把握でき異常化の予見が可能となることがわかった。問診と冠動脈造影検査を併用し受診者のリスク層別化と高リスク受診者の抽出が効率的に行える可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2006-05-12
更新日
-