テロ等による勤労者のPTSD対策と海外における精神医療連携に関する研究班

文献情報

文献番号
200401093A
報告書区分
総括
研究課題名
テロ等による勤労者のPTSD対策と海外における精神医療連携に関する研究班
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金 吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣 尚典(アデコ株式会社健康支援センター)
  • 倉林 るみい(産業医学総合研究所)
  • 神山 昭男(外務省大臣官房会計課福利厚生室内科診療所)
  • 亀岡 智美(大阪府こころの健康総合センター)
  • 堀口 逸子(順天堂大学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,805,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ニューヨークテロ事件は企業においてトラウマを体験する可能性が高いことが示され、企業内におけるトラウマに対するメンタルケアおよび予防対策の必要性が明らかにされた。事件・事故の発生直後から迅速かつ適切に危機的な対応することが重要であり、また、それらの事態に予め備えて予防することは事件・事故の発生直後からの速やかな対応が可能になる点で極めて重要である。
研究方法
①NYテロのような突発的な災害、事故における心的トラウマに対して、企業が組織としてどのような対策を取っているのかについての実態調査を行い、望ましい対応について提言を行う。特に、急性期のトラウマ対策について、実用的な指針を作成する。
②通常生じ得る職場災害や、業務とは無関係の出来事による勤労者の心的被害が、一般企業においてどの程度に生じているのか実態調査を行い、併せて、通常産業精神医学の制度の中での対応策について提言を行う。
③海外におけるNYテロのような危機に際してのトラウマケアにおける、現地の医療機関との連携モデルの作成を行う。
結果と考察
調査結果を踏まえて、今後、海外で営業活動を行なう中小企業に対して、日常の心身の健康確保を支援することの他に、テロなどの危機時の精神保健面については、以下のような対応策が必要であると考えられる。海外勤務において、どのような危険があるのかについて、広く情報公開する。海外勤務の際の在留届などの手続きを簡便にし、その方法を広く情報公開する。危機に遭遇した際に、安全のために具体的に何をすべきなのかを、広く情報公開する。危険に遭遇した際に利用できる社会資源の具体的連絡先を広く情報公開する。公開されている、外務省の海外安全ホームページなどの利用について、繰り返し情報提供する。現在公開されているIT情報などをより簡便に利用できるようにする。
調査対象都市106 カ国のうち日本語の利用が可能な医療施設が存在したのはわずか30カ国にとどまっていた。
海外テロ等に備えた平時からの精神医療対策の必要性が明らかになった。
結論
自爆テロの目撃を含むさまざまな危険を体験した社員を持つ企業があり、海外進出して いる中小企業においても、テロなどの精神保健面の危機に曝される機会に充分留意する必要があると思われた。中小企業向けにもより幅広く情報公開と啓発活動が必要であると思われた。海外テロが発生した場合には、被災者救援対策の一環として可及的速やかにメンタルヘルス対策を実施するには、対象地域を問わず本邦から十分な人数の専門家、装備等を迅速に搬送し、現地で具体的な活動に早急に着手することが大切である。

公開日・更新日

公開日
2006-05-12
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
200401093B
報告書区分
総合
研究課題名
テロ等による勤労者のPTSD対策と海外における精神医療連携に関する研究班
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
金 吉晴(国立精神・神経センター精神保健研究所 成人精神保健部)
研究分担者(所属機関)
  • 廣 尚典(アデコ株式会社健康支援センター)
  • 倉林 るみい(産業医学総合研究所)
  • 神山 昭男(外務省大臣官房会計課福利厚生室内科診療所)
  • 亀山 智美(大阪府こころの健康総合センター)
  • 堀口 逸子(順天堂大学公衆衛生学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
①NYテロのような突発的な災害、事故における心的トラウマに対して、企業が組織としてどのような対策を取っているのかについての実態調査を行い、望ましい対応について提言を行う。
②通常生じ得る職場災害や、業務とは無関係の出来事による勤労者の心的被害が、一般企業においてどの程度に生じているのか実態調査を行う。
③海外におけるNYテロのような危機に際してのトラウマケアにおける、現地の医療機関との連携モデルの作成を行う。
研究方法
1.危機的事態におけるPTSDの予防・対策の組織的活動の実態調査と対策
2.重篤なトラウマ反応の一次予防策、アセスメント、二次予防策の各手順の標準化
3.PTSD被害の経済損失と、対策による経済効果の推定
4.地域精神保健福祉における、トラウマケアの実態調査
5.海外での現地医療資源との連携に関する調査
結果と考察
今後、海外で営業活動を行なう中小企業に対して、日常の心身の健康確保を支援することの他に、テロなどの危機時の精神保健面については、以下のような対応策が必要であると考えられる。海外勤務において、どのような危険があるのかについて、広く情報公開する。海外勤務の際の在留届などの手続きを簡便にし、その方法を広く情報公開する。危機に遭遇した際に、安全のために具体的に何をすべきなのかを、広く情報公開する。危険に遭遇した際に利用できる社会資源の具体的連絡先を広く情報公開する。公開されている、外務省の海外安全ホームページなどの利用について、繰り返し情報提供する。現在公開されているIT情報などをより簡便に利用できるようにする。
結論
自爆テロの目撃を含むさまざまな危険を体験した社員を持つ企業があり、海外進出して いる中小企業においても、テロなどの精神保健面の危機に曝される機会に充分留意する必要があると思われた。中小企業向けにもより幅広く情報公開と啓発活動が必要であると思われた。海外テロが発生した場合には、被災者救援対策の一環として可及的速やかにメンタルヘルス対策を実施するには、対象地域を問わず本邦から十分な人数の専門家、装備等を迅速に搬送し、現地で具体的な活動に早急に着手することが大切である。

公開日・更新日

公開日
2005-05-24
更新日
-

研究報告書(紙媒体)