電子カルテのための処方設計支援システムの基礎技術の研究とコンポーネントの開発

文献情報

文献番号
200401416A
報告書区分
総括
研究課題名
電子カルテのための処方設計支援システムの基礎技術の研究とコンポーネントの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
澤田 康文(東京大学)
研究分担者(所属機関)
  • 大谷壽一(九州大学 大学院薬学研究院)
  • 折井孝男(NTT東日本関東病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
電子カルテシステムのための処方設計支援コンポーネントの開発は焦眉の急である。本研究においては、電子カルテシステムに対応するために、さまざまな医学・薬学的エビデンスを活用できるような処方チェックコンポーネントと、その動作に最適なデータベースを設計・試作することを目的とした。また同時に、処方ミスを最小限に抑えるための処方オーダリングにおけるマン・マシンインターフェースを設計することも目的とした。
研究方法
薬物体内動態のデータベース化にあたっては、添付文書における記載の有無にとらわれることなく、処方チェック・処方設計支援における必要性の観点からデータベースを設計した。また、これらのデータベースをもとに、薬物動態が変化した患者における薬物動態を、健常人における動態と一致させるような投与設計法を構築した。処方オーダリングのマン・マシンインターフェースに関しては、医師を対象としたアンケート調査と、医療現場における現状調査を行った。
結果と考察
企図したデータベース体系と、それをもとにした投与設計アルゴリズムを構築することができた。そして、透析患者・腎障害患者に対する最適投与設計提唱のための処方設計支援モジュールを試作することができた。構築したアルゴリズムは、さまざまな患者の状態における薬物投与設計や、飲み過ぎや飲み忘れに対する対処法の提示にも適用可能であった。さらに、構築したデータベースは、受容体や酵素、トランスポータを介して生ずる有害作用や相互作用のリスクを、患者個々に予測・評価するためにも有用と考えられた。今年度に構築したデータベースの構造とそれを利用したチェック・支援システムのアルゴリズムは、処方設計支援システムの重要なコンポーネントと位置付けることができるであろう。
処方オーダリングのマン・マシンインターフェースに関しては、処方オーダリングが関係した投薬ミスを最小限にするための標準マン・マシンインターフェースの修正版を作成した。
結論
今後電子カルテにおける処方チェック支援システムにおいて不可欠な医薬品情報データベースの基本構造と、それを用いた処方チェック・処方設計支援アルゴリズム、さらには処方オーダリングにおけるマン・マシンインターフェースを設計することが出来た。今回の成果は、電子カルテにおける処方チェック・処方設計支援システムの開発の推進力となるであろう。

公開日・更新日

公開日
2005-04-15
更新日
-