遠隔医療の診療の質、費用対効果に関する研究

文献情報

文献番号
200401087A
報告書区分
総括
研究課題名
遠隔医療の診療の質、費用対効果に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
村瀬 澄夫(信州大学医学部附属病院(医療情報部))
研究分担者(所属機関)
  • 廣川 博之(旭川医科大学附属病院(経営企画部))
  • 本多 正幸(長崎大学医学部附属病院(医療情報部))
  • 秋山 昌範(国立国際医療センター(医療情報システム企画開発部))
  • 鎌田 弘之(岩手医科大学 循環器病センター)
  • 酒巻 哲夫(群馬大学医学部附属病院(医療情報部))
  • 辻 正次(大阪大学 大学院国際公共政策研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2003年度研究「遠隔医療実施状況の実態調査」により、近年増加した遠隔医療の実施状況が明らかになった。一方で遠隔医療の診療上、経済上の評価が進んでいないことも明らかになった。そこで今年度は、全国の遠隔医療の経済性調査(実施施設の費用調査、WTP:Willingness To Pay,WTA:Willingness To Acceptの分析)、満足度調査(質や運営に対する評価)の二点を研究目的とした。
研究方法
1.全国の医療施設にアンケート調査を行った。
(1)収集データの計画:診療効果、経済性評価の尺度作りと調査項目の計画
(2)調査対象の選定:昨年度調査の調査対象から適切な対象施設を選別。
(3)調査票作成・送付:経済学的調査項目、満足度・質評価を複合した調査票
(4)分析:地域・種別・経済の複数チームによる実施
2.遠隔医療種別毎調査
コストに関する企業へのヒヤリングと標準的コストモデル算出
結果と考察
1.選別された652施設に調査票を送付して、220施設から回答を得た。
2.施設毎にコストと費目、受託費用額、接続件数、希望徴収額、希望支払額などを貴重な具体的数値で得た。
3.テレケア、テレラジオロジーやテレパソロジーのWTP,WTAを得た。各々の市場規模推測データも得られた。
4.満足度から見た質や運営上の評価で、受託施設に不満が多かった。最も発展しているテレラジオロジーやテレパソロジーでさえ、実施体制上の課題、医療連携上の問題など、基盤整備が十分でなかった。
5.種別毎の遠隔医療について、機器価格や所用経費などコスト項目と金額規模を示した。まだ遠隔医療は経済性の成立は難しく、接続施設数や受託件数が大きいなどの特殊条件のみ採算性が成り立つ。
6.質の調査で、喘息や高血圧などのテレケアでクリニカルインディケーターでの効果測定が可能なことがわかった。
7.地域別研究として、北海道・東北地域、信州地域、九州地域での分析を実施した。
結論
1.経済性研究や企業調査により、現状の各種遠隔医療の実際の費用やコスト、WTP,WTAが明らかになった。また遠隔医療の市場規模(金額)も推定された。
2.遠隔医療の質への評価、運営上の課題が示された。運営主体、体制、責任など多くの問題が解決を待っている。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-