電子カルテシステムにおける標準的診療録の開発研究

文献情報

文献番号
200401083A
報告書区分
総括
研究課題名
電子カルテシステムにおける標準的診療録の開発研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
只野 壽太郎(財団法人緒方医学化学研究所)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国の電子カルテ(電子診療記録)の問題点は 1.診療記録が標準化されていない 2.診療記録の記載に関与する医療従事者に対する教育が不十分 3.診療記録の記載法や記載内容がまちまちで、データベースとしての価値が低いことが挙げられる。今回の研究は、この状況を解決するため、診療現場に低コストで導入可能な標準的な電子診療記録を開発・提供するための提言を纏めた。
研究方法
只野は電子診療記録が満たすべき条件につき、佐賀大学付属病院の診療記録(紙ベース)を電子化した際に考慮した点を示した。高林は千葉大学付属病院の電子カルテ開発者としての経験から、標準的カルテに求められる事項を考察した。岡田と嶋田は聖路加国際病院で実際に発生したクレームを挙げ電子カルテ導入に際しての問題点を纏めた。豊田は電子カルテを開発ベンダーに対し、現有のパッケージに大幅な変更を加えることなく、POSを具現化する方法を提案した。
結果と考察
1.只野は1981年から20年に亘る佐賀医科大学(現佐賀大学)付属病院での医療情報部長と診療記録センター長の経験から、電子診療記録の満たすべき条件を総論的に纏めた。
2.岡田と嶋田は聖路加国際病院での電子診療記録を基に、「臨床の現場からの標準的診療録の開発」を纏めた。高林は病院における標準的電子診療記録として考えるべき内容と書式について検討・提案した。
3.豊田は既存の電子カルテ(富士通HOPE/EGMAIN-EX 2004年10月版)をカストマイズしないで、POSに従った診療記録の記述が可能か否かの検討を行った。
結論
殆どの病院では電子カルテパッケージ導入後にカストマイズの作業が発生し、膨大な出費を強いられている。また、カルテの基本であるPOS方式で記載できる電子カルテは提供されていない。この研究ではPOS方式の紙ベースのカルテを電子化する際の問題点を明確にし、電子カルテが満たすべき内容と書式についての提案がなされた。また、現有のパッケージをどのようにしたらPOS方式に準拠したものに作り変えられるかについての、問題点が明らかにされた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-26
更新日
-