電子化に向けた肺癌診療ガイドラインの整備

文献情報

文献番号
200401081A
報告書区分
総括
研究課題名
電子化に向けた肺癌診療ガイドラインの整備
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
近藤 丘(東北大学加齢医学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 星川 康(東北大学病院)
  • 松村 輔二(東北大学加齢医学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成13 - 14年度厚生労働省科学研究補助金21世紀型医療開拓推進事業により策定された「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2003年版」の使用状況およびこれに対する意見を調査し、現在進行中及び次回以降の改訂作業に有効に活用して頂くことを目的とした。
研究方法
日本呼吸器外科学会認定施設、関連施設、日本肺癌学会員の在籍する施設、530施設を対象にアンケート調査を行った。集計結果を日本肺癌学会ガイドライン検討委員会に提供した。
結果と考察
260施設、785名の医師より回答を得た。回答者の80%以上が本ガイドラインの使用経験があり、その半数以上が「診療方針決定」あるいは「インフォームドコンセント」といった実際の診療の場での使用を目的としていた。回答者の約70%が本ガイドラインの出版により診療になんらかの影響があったと答えており、影響の種類の大部分は、「診療方針が決めやすくなった」あるいは「患者さんに説明しやすくなった」であった。回答者の29.9%が、本ガイドラインを患者に「適用できた」、49.7%が「部分的に適用できた」と答えている一方で、5.9%、46名の回答者が「適用できなかった」と答えている。適用できなかった原因として「ガイドラインの内容(データや療法)の遅れ」「年齢」、「合併症」、「患者の体力、PS (performance status)」「具体性に欠ける記載」等が挙げられている。「今後記載されることが望ましい臨床的疑問点」あるいは「本ガイドラインへの要望」として、改訂への要請を含む多数の有用な意見を頂戴した。本集計結果は日本肺癌学会において現在進行中のガイドライン改訂作業に活用された。
結論
本ガイドラインは多数の医師により利用され、肺癌の実地診療に寄与していることが示された。一方で、本ガイドラインが患者に適用できない事例も少なからずあること、その原因のいくつかが明らかにされ、「今後記載されることが望ましい臨床的疑問点」も多数寄せられた。本研究結果は日本肺癌学会ガイドライン検討委員会に提供され、現在進行中のガイドライン改訂にあたり有効に利用されている他、次回以降の改訂作業にも寄与するものと考える。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-