看護大学が行う専門「まちの保健室」の効果とその活用方法に関する研究

文献情報

文献番号
200401076A
報告書区分
総括
研究課題名
看護大学が行う専門「まちの保健室」の効果とその活用方法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
南 裕子(兵庫県立大学)
研究分担者(所属機関)
  • 片田 範子(兵庫県立大学看護学部)
  • 野並 葉子(兵庫県立大学看護学部)
  • 水谷 信子(兵庫県立大学看護学部)
  • 山本あい子(兵庫県立大学看護学部)
  • 近澤 範子(兵庫県立大学看護学部)
  • 内布 敦子(兵庫県立大学看護学部)
  • 新井 香奈子(兵庫県立大学看護学部)
  • 東 ますみ(兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)
  • 神崎 初美(兵庫県立大学地域ケア開発研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療機関受診前の人や在宅療養者で、健康相談および看護相談ニーズの高い人々に対して、看護大学が開設している専門「まちの保健室」の効果とその活用方法について明らかにする。
研究方法
1.専門「まちの保健室」による健康看護相談、健康教育を通して住民の健康ニーズを把握する。また相談内容を過去の蓄積された事例も加え構造化する。
2.健康ニーズや相談内容に応じた看護ケアを開発する。
3.専門「まちの保健室」における健康看護相談の効果に関するデータの蓄積を行う。
結果と考察
各専門「まちの保健室」では、共通する以下の3つの住民健康ニーズが抽出された。
1.健康生活や療養生活への確認のニーズ
 看護相談では、既に自分なりの療養生活を実践している住民は、これまで身につけてきた行動を大学教員に確認するニーズを持っていた。また、自分なりの実践がなく身体状態に疑問を持つ者は、今の健康状態で良いのかに関する確認を大学教員に求めていた。
2.支持のニーズ
 看護相談では、大学教員がじっくり話を聴き、相談者である住民を支持する姿勢を持つことで、住民は立場を保証され安心や自信・安定を取り戻していた。
3.専門的アドバイスのニーズ
 相談者は、ただ話を聞き支持して貰えるだけでなく、個別に応じた内容で専門的見地による知識や技術を受け、それらを習得することで、自分の問題に自ら気づき、振り返り、健康行動の改善を目指すようになっていた。
社会は、地域住民に対して病前もしくは病気でない状況を維持し健康な生活を送ることができるケア提供の仕組みを求めている。「まちの保健室」は、まさにこのような社会ニーズに応えられる仕組みであるといえる。専門「まちの保健室」による健康に関するスクリーニングをうまく活用し各地で「まちの保健室」活動を継続することが、健常でセルフケアできる住民を多く増やす看護活動となると考える。
結論
専門「まちの保健室」実践を通して看護ケアのデータを蓄積し、多くの看護職が参考に出来るケアの構造化を進めることが出来た。大学教員の綿密な継続的関わりによって住民達は自分にあった療養方法や対処方法を見出し、問題の明確化に向かっていた。また問題の明確化や解決が出来なくとも確認・支持・健康アドバイスの3つの要素が住民の悩みを軽減・緩和の方向に導くことが見出せた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-05
更新日
-