医療機関における安全管理システム開発におけるリスクマップの構築およびリスクマネージャーの有用性に関する研究

文献情報

文献番号
200401070A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における安全管理システム開発におけるリスクマップの構築およびリスクマネージャーの有用性に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂本 すが(NTT東日本関東病院)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(自律協働型)のリスクマネジメントシステムの活動を支援するため、インシデントの分析ツール(道具)を開発し、標準モデルとして提示することとした。いくつかの手法の開発が必要であるが、具体的には、発生原因が主として医療者要因(注射・与薬)と患者要因(転倒・転落)では分析手法が異なると予測されるため、インシデント報告の数量的分析をベースにしつつ,発生原因を特定するために、インシデント発生の「場所」、あるいは業務フローにおける「場所=ステップ」に注目し、リスクポイントにおける発生要因が特定できる分析ツールの開発を目的にした。
研究方法
1.既存のインシデントレポートに記載された業務チェック項目から業務フローを作成
2.聞き取り調査による業務フローの作成
3.詳細なインシデント発生状況記載様式の作成
4.縦軸にインシデント事例、横軸に業務ステップを設定したマトリックスの作成
5.現場でインシデントの詳細な聞き取り調査
6.RMディスカッションと医師への聞き取り
7.リスクマップの作成
8.分析方法の有効性を確認するため、他施設で聞き取りを実施
結果と考察
与薬業務フローにおける各プロセスのリスク要因が明確になった。指示の伝達に介在する人や伝達方法(メディア)との関連が明らかになり、業務フローをインシデント分析に活用することの有効性の確認できた。
結論
従来のインデントレポートは,次の3点にそれぞれ注目していた.
インシデントを起こした当事者の認識、行動、関連する業務のルール
今回の研究で明らかになったことは,この3つの領域の差異と関連性を当事者自身がどのように認識しているかを明確にし、その背景となった要因と要因間の関連性をリスクマップにより可視化することの必要性である。その差異を基にして話し合い、システム改善や教育につながる活動を行うことが重要である.
8-1.最少のコミュニケーション量(確認行動)で活動するシステムの必要性
8-2.業務プロセスを可視化して共有する
8-3.誰が分析を行うのか
8-4.インシデントの3つの領域(ルール・認識・行動)における差異が浮かび上がる 
8-5.行動の可視化と改善のプロセス

公開日・更新日

公開日
2005-07-22
更新日
-