整形外科領域ガイドラインの電子化、並びに活用・評価に関する研究

文献情報

文献番号
200401066A
報告書区分
総括
研究課題名
整形外科領域ガイドラインの電子化、並びに活用・評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
四宮 謙一(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科脊椎脊髄神経外科学分野)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
整形外科領域の診療ガイドラインの完成と電子化行う。また有効性評価を行う。
研究方法
仮完成の診療ガイドラインに対して日本整形外科学会主催でシンポジウムを開き、患者、報道、医師などの要望・批判を受けた上で完成させる。電子化の具体的な方法としては、診療ガイドラインをPDF化し、文中のキーワードによる検索機能や参照した論文抄録の参照ができるようにする。また日本整形外科学会のホームページ上で質疑応答ができる形式にする。有効性調査については、まず各医師のバックグラウンドと実際の臨床能力を測れるような調査項目を作成した。
結果と考察
この1年間での大きな改善点は、答えのない項目について班員全員の同意による推奨、あるいは概説を追加したことである。これにより、単なるEBM集ではなく一般医師に利用されやすい診療ガイドラインに改善されたと考えている。また誤解および混乱の恐れがある推奨グレードの定義変更を行って、診療ガイドラインの完成度をより高めた。 (推奨度; A 行うよう強く推奨する強い根拠に基づいている、B 行うよう推奨する、中等度の根拠に基づいている、C 行うことを考慮しても良い弱い根拠に基づいている、D 推奨しない、否定する根拠がある、I 推奨を決定する事ができない、肯定もしくは否定するに足る根拠がない)
この診療ガイドラインは日本整形外科学会より書籍として5月に発刊する予定となった。このため電子化についても、現在作成中で、日本整形外科学会ホームページに2005年5月ごろに掲載する。
有効性調査については、策定された調査項目を診療ガイドライン交付前の平成17年4月に日本整形外科学会員から無作為で抽出した4000名に送付した。さらに診療ガイドライン発刊6ヵ月後に再度診断能力、治療決定能力などの改善の程度を測るために再び調査項目を送付して検討する予定であり、平成17年度に関しても厚生労働科学研究費補助金医療技術評価総合研究事業に申請を行っている。
結論
本研究において論文上結論を導けなくともわかりやすい説明を提示する、あるいは臨床研究を行って日本人にあったエビデンスを作成するなど、大変重みのある方向性が導き出されたと考えている。このようにして作成された診療ガイドラインを迅速に社会に広め、迅速に改良を可能とする電子化及び有効性評価研究は、国民にとってのより良い医療普及のために是非とも必要な研究課題と考えられ、各分野で継続されることを望む。

公開日・更新日

公開日
2005-05-10
更新日
-