医療安全確保のための看護人員体制とアウトカム指標の検証

文献情報

文献番号
200401055A
報告書区分
総括
研究課題名
医療安全確保のための看護人員体制とアウトカム指標の検証
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
井部 俊子(聖路加看護大学)
研究分担者(所属機関)
  • 安井(福留)はるみ(神奈川県看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
病院における患者安全確保の観点から、看護職員のStaffingに焦点をあて、Staffingによる影響因子を明らかにし、確立された臨床指標にもとづいたデータ収集を行い、患者安全確保のためのStaffingを検証する。
研究方法
1.看護職員の人員体制による影響因子を明らかにした国内外の先行研究を検討する。
2.先行研究におけるデータ収集の手法を吟味し、わが国におけるデータ収集の手法を構築し、国際比較ができる準備を行う。
(倫理面への配慮)
研究の目的を説明し、同意を得た上でデータ収集を行い、データを提供した組織や個人が特定化されないように配慮し、不利益をこうむらないようにする。
結果と考察
米国で実施され、注目をあびたAiken らの研究、ならびにカリフォルニア看護協会などの先行研究を考察し、日本におけるデータ収集の手法を構築し、比較研究ができる準備を行った。また、日本のエキスパートパネルを対象に、フォーカス・グループ・インタビューを実施し、看護人員配置と医療安全のアウトカム指標を検討した。
医療安全確保のための看護人員配置体制とアウトカムに関する指標の国内研究結果を、米国での先行研究成果と比較したところ、ストラクチャー・プロセス・アウトカムのインディケーターで、共通のものと、日本独自のものがあり、国際比較する上でのデータ分析方法に新たな知見を得た。
さらに、「日米における医療安全確保のための看護人員体制とアウトカム指標の検証」をテーマに、セミナーを開催し、安全な看護人員体制のあり方について、日米の研究結果を比較し、政策提言について検討した。その結果,カリフォルニア州でのCalNOC(カルフォルニア看護アウトカムプロジェクト)をベースに、本研究成果におけるアウトカム指標を統合させ,データ収集することが有用であると示唆された。
看護人員配置が有害事象に関連しているという先行研究から、看護人員配置は重要な指標となる。エビデンスに基づいた看護人員配置を行なうため、臨床現場のデータ収集体制を整備することが必要である。
結論
看護人員配置と有害事象の関連性を把握する客観的なデータ収集をすることが必要であり,そのためには,臨床現場のデータを客観的に収集できるデータベースを構築し,わが国の医療安全政策の評価の一環としての,データベースの運用が求められている。

公開日・更新日

公開日
2007-07-18
更新日
-