医療の質向上、効率化の為の先進的IT技術に関する研究

文献情報

文献番号
200401048A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の質向上、効率化の為の先進的IT技術に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
田中 博(東京医科歯科大学難治性疾患研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 村井 純(慶応義塾大環境情報学部)
  • 辰巳 治之(札幌医大大学院生体情報形態学)
  • 秋山 昌範(国立国際医療センター医療情報システム開発研究部)
  • 木内 貴弘(東京大学医学部大学病院医療情報ネットワーク研究センター)
  • 渡辺 克也(独立行政法人情報通信研究機構)
  • 永田 宏(特定非営利活動法人日本医療情報ネットワーク協会)
  • 三谷 博明(特定非営利活動法人日本インターネット医療協議会)
  • 楠岡 英雄(国立病院機構 大阪医療センター)
  • 大江 洋介(真生会山藤医院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
次世代インターネットを用いて医療の質を向上させることを目的に、先進的IT技術を、ネットワーク技術とアプリケーションに分類し、調査研究を行う。
研究方法
1 ネットワーク技術
 既存の暗号メールにおける問題点を整理し、新しいシステムと比較した。 また、 トランスポート層にて暗号化を行うTCP2技術の性能を評価した。 
 A-netを例にとって、各医療機関における運用実態を調査する。
 IPv6が使えるネットワークを構築し、医療において必要な基本要素を洗い出す。
 医療機関の所在地を調べ、それぞれの所在地毎にネットワーク接続性を調べた。
2 アプリケーション
 インターネット上の栄養管理システムを設計した。
 18のRFID利用分野を設定し、今後5年後の利用イメージ、技術課題、各種課題の抽出を行った。
看護業務支援のシステムを構築した。
結果と考察
1 ネットワーク技術
 新しい暗号手法では、利用満足度が高く、TCP2技術は、臨床診断に十分な品質を保持していた。
 A-netシステム構築の知見は、多施設診療研究にも応用できる。
現在、IPv6 Topological Addressing Policyにしたがってネットワークを構築することはできているが、さらに、地域IXの形成及びMultiHomeを構築することが必要となる。
 ネットワーク接続のできない医療機関が20%を超える地域があることが判明した。
2 アプリケーション
 料理のレシピを1500種類収集し、それらの1人分の栄養量を計算するデータベースを構築した。
RFIDの医療分野での適用を考慮し、要求条件等を抽出した。
看護業務において、患者の情報を一覧表示するシステムが有益であった。
結論
1 ネットワーク技術
 新しい暗号技術が医療の質向上に貢献できることを示した。
 A-netを参考に、情報技術の進歩に伴いながら継続して個人情報保護法を踏まえた技術開発を研究する必要がある。
次世代インターネットでは、地域におけるIXの形成が次のステップとなる。
今回の調査で情報インフラの整備が遅れていることが判った。
2 アプリケーション
開発したインターネット栄養計算システムは、ユーザーに受け入れられやすく、また比較的長期にわたって利用された。
RFIDのネットワークへの利活用モデルの検討を行い、今後の方向性・課題等を明らかにした。
看護支援のために、業務分析が必須であった。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-