医療機関における放射線安全の確保に関する研究

文献情報

文献番号
200401028A
報告書区分
総括
研究課題名
医療機関における放射線安全の確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
伊東 久夫(千葉大学大学院医学研究院放射線腫瘍学)
研究分担者(所属機関)
  • 池淵 秀治((社)日本アイソトープ協会)
  • 成田 浩人(東京慈恵会医科大学病院放射線科)
  • 戸川 貴史(千葉県がんセンター核医学診療部)
  • 中川 恵一(東京大学医学部放射線医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療被ばくは国際機関及び欧米で広く検討され、基本安全基準や指針が公表されている。この中でも特にIAEAの安全指針(RS-G-1.5)(2002)と、英国IPEMの臨床と歯科ガイダンスノートが注目できる。本研究はこれらの指針の精神を取り入れて国際的な指針と調和をとり、わが国の医療の実態に即した、実践的な医療放射線の安全対策ガイドラインを作成することを目的とする。
研究方法
初年度はまず、緊急課題である放射線治療(外照射)の医療過誤再発防止を目的に、提言を取りまとめ、ガイドライン(案)を作成する。本提案は放射線治療に関連する5つの学会の協力により作成する。(2) 医療放射線放射線治療以外の研究分野でも、医療機関における放射線安全の確保に関するガイドラインを作成するため、資料の収集と解析を行う。
結果と考察
研究計画に従って、平成16年度の成果は以下の様に要約できる。 1.最も緊急性のある課題として放射線治療外照射における照射事故を予防するため、(1) 実態調査に基づいて、放射線治療外照射の事故原因の解析と対策を検討した。(2)事故を予防するためのマニュアルを作成した。2.IAEAの医療被ばくに関する安全指針(RS-G-1.5)、英国IPEMの臨床と歯科ガイダンスノートの医療被ばくの安全対策に関して調査、解析を行った。3.被ばく細胞における転座の出現頻度と線量の関係を検討した。
欧米各国で医療安全マニュアルは作成されている。しかし、わが国の医療はいろいろの点で欧米と異なり、欧米の手法をそのまま導入することは出来ない。従来、各種の学会や関連機関が同様な目的で研究が行われたが、本研究は国際的な視野に立ち、国内の各種関連学会と慎重に協議して、国内でも実行可能なガイドラインを作成する。これにより、実際の事故防止のために役立つことが期待できる。
結論
 医療における放射線安全の確保は、国際的に大きな問題となっており、多くのガイドラインが出版されている。わが国でもこの問題に対して従来から検討が行われてきた。本研究は従来の研究とは異なり、国際的な視野に立って、包括的な医療における放射線安全の確保に関するガイドラインを作成する。初年度は、最近頻発する放射線治療の医療事故を減らすため、放射線治療の安全性を確保のための提言とマニュアルを作成した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-05
更新日
-