文献情報
文献番号
200401019A
報告書区分
総括
研究課題名
PET検査施設における放射線安全の確保に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
井上 登美夫(横浜市立大学大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 高橋延和(横浜市立大学大学院医学研究科)
- 棚田修二(放射線医学総合研究所重粒子医科学センター)
- 川渕孝一(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 )
- 遠藤啓吾(群馬大学大学院医学系研究科)
- 藤林康久(福井大学高エネルギー医学研究センター )
- 窪田和雄(国立国際医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
PET検査の安全管理とPET施設基準に関する基本的な考え方を検討し、PET検査が安全かつ健全に普及することを目的とした。
研究方法
PET施設の安全管理に関するガイドラインの作成に関しては各関連学会に参加を呼びかけ学会横断的な討議を行った。新しいPET関連技術・システムを含め、PET検査が安全かつ健全に普及するための諸研究に関しては分担研究者別に基礎実験、文献検索などにて検討を行った。
結果と考察
本研究の中間報告を踏まえたPET関連省令の改正が平成16年に行われた。PET診療に携わる施設の放射線安全管理に責任を有する医師、およびPET診療に専任で従事する放射線診療技師は、必ず所定の研修を受けることとなり、また構造設備についても一定の条件が定められた。所定の研修の内容を明記したことで、標準化された研修が期待される。院内製造のFDGを他施設に譲渡し診療に用いることは薬事法で禁じられている。但し、今回の基礎的実験の範囲内ではFDGの品質管理上の点では問題を認めなかった。放射線防護と経済性の検討において、FDG院内製剤型PET施設では税引後利益率および投下資本の回収に必要な損益分岐点稼働率を施設規模別に計算したところ、法定基準を超える被曝対策は、より大規模な施設のほうが経済性の面で優れていた。FDG-PET検査における水負荷は、尿路系の生理的集積を低下させ、かつ被曝の低下に貢献する可能性があった。患者被曝低減を目的とし、18F NaF PET検査にてFDAの報告書に記載されたmaximum recommended doseによる臨床的評価は可能であった。米国におけるPET薬剤申請書式の調査と日本でのPET関連医療機器の申請承認システムの検討に関して相違点を確認した。
結論
本研究班で作成した中間報告をもとにPET関連省令の改正が行われた。FDG-PET検査の安全管理に関するガイドラインを周知させることで、我が国のFDG-PET検査の安全性と質を維持していくことが必要である。また、PET関連の新技術への対応を含めた技術上あるいは制度上の課題を基礎実験、文献検索などにて行った。これらの結果が今後のPET検査の安全かつ健全な普及に寄与することが期待される。
公開日・更新日
公開日
2005-07-22
更新日
-