標準的電子カルテに要求される基本機能の情報モデルの開発

文献情報

文献番号
200401003A
報告書区分
総括
研究課題名
標準的電子カルテに要求される基本機能の情報モデルの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(東京大学医学部附属病院企画情報運営部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 通男(浜松医科大学医療情報部)
  • 岡田 美保子(川崎医療福祉大学医療技術学部・医療情報学科)
  • 山下 芳範(福井医科大学医学部附属病院医療情報)
  • 近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院医療情報部)
  • 小山 博史(東京大学大学院医学系研究科・クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット・臨床情報工学)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
40,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
標準的な電子カルテシステムに必要とされる基本的機能を調査・分析し、要素機能を抽出した上で、システムとしての電子カルテのなかで、それらの要素機能がどのように情報を交換しつつ機能するかについて情報モデルを開発する。
研究方法
平成15年度に代表的なペーパレス電子カルテを運用している国内5病院、米国1病院を対象にして、詳細な仕様資料調査を行ったが、この調査結果をもとに、機能の構造を分析し、機能の構成要素(動作主格アクター、起動条件、使用場所 、 対象アクター、操作対象 、操作対象2、目的、方式、物理媒体)、また各機能間の関連を示す機能の情報モデルを、表形式で表現する機能要件リストを作成した。さらに、この機能の情報モデルをUMLのクラス図で表現する方法を検討し、一部についてクラス図を作成した。
結果と考察
電子カルテの機能は、診療業務に関わる機能、スタッフ間コミュニケーション機能、システム管理機能、診療開始時機能、患者選択機能、診療情報管理機能、診療情報提示機能、診療記録機能、診療記録入力補助機能、診療記録修正削除機能、警告機能、診療記録履歴管理機能、教育・研究・分析支援機能、コミュニケーション支援機能、記録ログ管理提示機能、外部出力制御機能などに分類された。このような詳細な調査は国内で初めてなされたものである。また、オーダリングに関する機能を除く、約350機能項目からなる電子カルテシステムの機能要件リストが作成された。その際、全ての機能の動詞部分については9種類に限定して表現することができた。さらに機能の情報モデルを3つのクラス図(機能モデル、機能メタモデル、ニーズモデル)を用いて表現することができた。
結論
本機能の情報モデルの利点は、機能の構成要素を分類軸に指定することによって、機能を多軸に分類することができる点、各機能の共通点と相違点を明示することができる点である。今後は機能の構成要素の一つである操作対象とHL7 RIMとの対応付け、ニーズモデルの粒度の検討、医療機関の特性の違いのモデルへの反映を行う必要がある。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200401003B
報告書区分
総合
研究課題名
標準的電子カルテに要求される基本機能の情報モデルの開発
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
大江 和彦(東京大学医学部附属病院企画情報運営部)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 通男(浜松医科大学医療情報部)
  • 岡田 美保子(川崎医療福祉大学医療技術学部・医療情報学科)
  • 山下 芳範(福井医科大学医学部附属病院医療情報部)
  • 近藤 克幸(秋田大学医学部附属病院医療情報部)
  • 小山 博史(東京大学大学院医学系研究科・クリニカルバイオインフォマティクス研究ユニット)
  • 山本 隆一(東京大学大学院情報学環・医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
標準的な電子カルテシステムに必要とされる基本的機能を調査・分析し、要素機能を抽出した上で、システムとしての電子カルテのなかで、それらの要素機能がどのように情報を交換しつつ機能するかについて情報モデルを開発する。開発された本研究の情報モデルが、今後開発される電子カルテシステムが持つべき機能の共通基盤的な情報モデルとなることを目的とし、さらにこの共通基盤的な情報モデルにもとづいて開発された多様な電子カルテシステムが相互に情報共有が可能となり、医療の質の向上と効率化に寄与し、もって医療の情報化の効果をあげることを目的とする。
1年目は、電子カルテの基本機能について現状システムの分析と調査を、一部業務委託を併用して行い、それぞれの情報モデルの構築に向けた基礎調査と分析を行うことを目的とし、2年目である本年度は、昨年度の調査結果を元に機能の情報モデルの記述方法を検討し、機能の情報モデルを構築することを目的とする。
研究方法
2年計画の1年目は、標準的電子カルテモデリングに必要とされる機能の把握と整理を行うために、代表的なペーパレス電子カルテを運用している国内5病院、米国3病院(2病院は2年目調査)を対象にして、詳細な仕様資料調査および実地システム調査、使用者および管理者からのヒアリング調査を行った。調査結果をもとに、機能の構造(機能の構成要素と各機能の関連)を分析し、機能の情報モデルを表形式で表現する機能要件リストを作成した。今回の分析は、医師によるカルテの記載の部分を中心に行い、調査票の項目に含まれていたオーダリングに関する機能についての分析は対象外とした。
結果と考察
電子カルテの機能について、2000項目を超える機能項目が抽出され、それらがどのような場面で使用されているかについての把握ができた。また、オーダリングに関する機能を除く、約350機能項目からなる電子カルテシステムの機能要件リストが作成された。さらに機能の情報モデルを3つのクラス図(機能モデル、機能メタモデル、ニーズモデル)を用いて表現することができた。
結論
本機能の情報モデルの利点は、機能の構成要素を分類軸に指定することによって、機能を多軸に分類することができる点、各機能の共通点と相違点を明示することができる点である。今後は機能の構成要素の一つである操作対象とHL7 RIMとの対応付け、ニーズモデルの粒度の検討、医療機関の特性の違いのモデルへの反映を行う必要がある。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-