急性胆道炎の診療ガイドラインの作成、普及に関する研究

文献情報

文献番号
200400988A
報告書区分
総括
研究課題名
急性胆道炎の診療ガイドラインの作成、普及に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
高田 忠敬(帝京大学医学部外科)
研究分担者(所属機関)
  • 二村 雄次(名古屋大学 医学部)
  • 平田 公一(札幌医科大学 医学部)
  • 福井 次矢(聖路加国際病院 院長)
  • 真弓 俊彦(名古屋大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急性胆道炎は対象症例が極めて多いとともに、かもしだされる病態、病状が主体であるために、最新の画像診断で捉えられない部分が少なくない。エビデンスに基づき、胆道炎に関するあやふやな定義、疾患概念、治療法を明確にし、統一された基準を作成し、これが広く認知され、普及させることを主眼に置き「急性胆道炎の診療ガイドライン」を作成する。
研究方法
平成15年度:①系統的なエビデンス抽出と評価。平成16年度:②急性胆管炎と胆嚢炎の診断基準、重症度判定基準作成。③推奨度決定。④コンセンサス会議、外部評価委員、実地医家より客観的評価を受けた。クリニカルクエスチョン方式た。平成17年度予定:⑤国際シンポジウム開催(平成18年1月7、8日)、英文誌発刊、インターネット掲載を予定している。
結果と考察
①文献の系統的検索結果:Medline:9,618件、医学中央雑誌6041件が検索され、さらに質の高い論文を抽出した。②1)急性胆管炎診断基準:感染所見、胆汁うっ滞所見、上腹部痛、胆道系手術の既往。2)重症急性胆管炎診断基準:ショック、エンドトキシン血症または菌血症、意識障害、急性呼吸不全、急性腎不全、血小板数減少。3)中等症診断基準:黄疸、低アルブミン血症、軽度腎不全、血小板数軽度減少、39℃以上。4)軽症診断基準:中等症、重症以外。5)急性胆嚢炎診断基準:炎症所見、sonographic Murphy徴候、急性胆嚢炎の画像所見。6)重症急性胆嚢炎診断基準:急性腎不全、胆汁性腹膜炎、胆嚢周囲膿瘍等。7)中等症診断基準:黄疸、高度の炎症反応、炎症性変化。8)軽症診断基準:中等症、重症以外。③検討項目:1)作成の目的と方法、2)疫学、3)診断基準、重症度判定基準、4)診断、5)治療、6)診断フローチャート、7)小児、高齢者の急性胆道炎、8)特殊な胆道炎、9)術後胆管炎、④社会的影響への配慮:本ガイドラインは急性胆道炎診療に関する初めてのガイドラインとなる。現在の標準的医療水準と捉えられ、訴訟や関係する可能性も少なくない。公表にあたっては、内容の十分な吟味から推奨文の表現にまで厳密な検討が必要である。
結論
本ガイドラインによって、標準的診療方針が提示されることで、医療の標準化効率化、患者の予後改善、医療費削減が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-