ケースミックス、医療原価測定を用いた医療パフォーマンスの評価に関する研究

文献情報

文献番号
200400984A
報告書区分
総括
研究課題名
ケースミックス、医療原価測定を用いた医療パフォーマンスの評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
佐々 英達((社)全日本病院協会)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医療技術評価総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ケースミックスを用いた医療パフォーマンスの評価・効率的な資源配分方法について国内外の状況をとりまとめ、標準的医療原価測定法の開発、および検証を行う。また、科学的知見に基づいた病院種別、政策医療などの医療機能、連携のあり方についての検討を行う。
研究方法
1.ケースミックスの基本的概念、開発状況、対象範囲、利用の状況などについて、米国、豪を対象に事例研究により明らかにした。米国メリーランド州病院協会が実施しているQIPと日本の診療アウトカム評価事業の方法について検討し、共同研究を前提とした打合せを実施した。2.医療原価測定法の開発:DPC参加病院数箇所を対象に、DPCに基づいて、代表的な数疾患を対象に、配賦方式を今中班のマニュアルを基に粒度を変えた場合の結果の変動について感度分析を実施すべく、プロトコールの検討を実施した。3.ケースミックス別の医療内容調査:2002年より東京都病院協会が実施している診療アウトカム評価事業に、全日病として参加し、参加病院、データ数の大幅な増加をもたらした。約40病院の参加の下に、代表的な24疾患で入院した患者について、医療内容、医療費用(請求金額)の調査を実施した。調査内容は、病院の部門別費用、当該疾患で入院した患者についての属性、医療内容、予後、診療報酬など、である。4.専門家パネルによる検討:ケースミックスに基づいた病院種別の分類、個別病院の医療パフォーマンス評価、医療の類型化、医療連携のあり方と評価、診療報酬と医療原価の対比、などを行い、将来の医療提供体制のあり方についての提言を行った。これは、病院のあり方報告書2004年版としてとりまとめ公表した。
結果と考察
本年度研究では、1.急性期・慢性期医療のそれぞれについて現在国際的に用いられているケースミックスの考え方、内容を明らかにして、日本で用いるケースミックスのあり方について検討を行った。2.ケースミックスを用いた病院の医療パフォーマンスの測定を行った。3.医療原価測定について標準的な手法の開発、有効性の検証についてプロトコールの作成を行った。4.ケースミックス、医療パフォーマンス、費用の概念に基づき、病院種別、不採算医療・政策医療、連携の評価、等について今後の医療提供体制について明らかにした。
結論
疾患名・処置名、患者の属性、重症度などを考慮した患者構造を表すケースミックスは、医療システムを科学的に評価する上で不可欠の概念である。医療機能を科学的に測定し、そのあり方を示すことは、医療および医療政策の透明性を高め、社会に対する説明責任を果たすことに寄与することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-